立川らく次の会-冬-@らくごカフェ

らくごカフェ
「片棒」
「二番煎じ」
(仲入り)
「薮入り」

 東京かわら版平成24年2月号「追悼 立川談志」を読みながら、「立川らく次の会-冬-」へ向かう。8ページの写真がせつない。

 らくごカフェも,らく次さんの落語も初めて。
 昨年十月の立川キウイさんの会の打ち上げで,ほんの一言二言話し,第一印象は「生意気そう」。悪口ではない。根っから陽気な芸人さんというタイプではなさそうだけど,落語は上手いんじゃないかと,これも単なる印象。
 その印象を信じて,昨年十二月上野広小路亭最後の志らく一門会で,ご本人が手売りしていたこの会のチケットを購入した次第。

 家元の話はいろいろな人がいろいろな所でしているので気が進まないと言いながら,しないわけにもいかないのでしょう。誰が「談志」を継ぐのかという話から片棒へ。
 薮入りは初めて聞いた話。らく次さんがよく聴くとおっしゃっていた三代目三遊亭金馬の十八番だったとのことですが,俗に言う古典より下がっているのに,馴染みのない時代背景のせいかなんともピンとこない。聞く側の素養の問題でしょうか。
 母親とはいえ子供の財布を勝手にみるのも,親を貧乏呼ばわりする息子もどうかと思う。父親の単純過ぎるところが救いと言えは救いなのかもしれないが,ご近所の方々への不機嫌そうな対応は腑に落ちず。
 要するに,感情移入できる人物がいない,足場がない状態で困ってしまった。
 それと,袖をはらって「よしなよ」という仕草。バッという袖の音が気持ち良いのですが,随分多用したなぁという印象。
 最初から最後まで印象論ですが,総じて上手いし面白かった。また足を運びたい会でした。

志らく一門会

内幸町ホール
「猿後家」立川らく八(前座・二つ目予定)
「初音の鼓」立川志らべ(二つ目)
「片棒」立川こしら(真打予定)
「唖の釣り」立川志ら乃(真打予定)
「天災」立川志らく

 街中に振袖が溢れていた本日,今年の初落語は,やっぱり立川流。
 立川志らくさんとその弟子による一門会は,会場を昨年までの上野広小路亭から内幸町ホールに変更。
 キャパシティの問題ではありますが,会場の余りの違い振り。小綺麗なホールもいいけれど,広小路亭の感じも捨て難い。
 前座さんより,二つ目さんより,真打ちは面白いと当然な事を思う。
 今日は出だしから些か眠かったのですが,こしらさんで目が覚めた。まぁ,声がでかいというのもあるのですが。
 (志らくさんも同じ事を言ってた!)
 「唖の釣り」はちょっと苦手な話なのですが,志ら乃さんは面白い。
 今回,私は最前列で拝見したので,志ら乃さんの表情の面白さを堪能出来ましたが,後ろの席だとどうなのだろうか。
 今日の志らくさんは,しっくりこなかったなぁ。

白談春

 事前の投票で決まった二題。
 二番が「居残り佐平次」,一番人気は,やっぱり「芝浜」。

 家元死去を受けて,結果に影響があったかは判らないが,年末の「芝浜」は当然といえば当然か。私もこの話に一票を投じたけれど,これは決まっていたようなものなのだから,もう一つに賭けるべきだった。
 聴きたかったのは「紺屋高尾」。惜しくも三番。
 得票数は判らないが,五十の演目の半ばから下位にかけては複数同位が多いところを見ると,それ程の総数でも無いのかと。であれば,私の票でひっくり返ったかもなぁ。
 さて,その「居残り佐平次」が聴きたく無い訳ではない。とても良い「居残り佐平次」でした。

 「芝浜」
 こちらも,とても良い芝浜でしたが,気になった所が一つ。
 女房が夢だ夢だと勝五郎を言いくるめる段で,浜に行った行かないの遣り取り。
勝五郎「おまえに起こされて」
女房「起きたのかい?」
勝五郎「起きなかったよ!」
※言い回しはうろ覚えです。
 このやり取りが何度か繰り返されるのが腑に落ちないのです。
 素直に起きたわけではないにしても,起きて出かけたわけですし,「起きなかった」では浜に行ける筈も無く,言い争いにもならないなぁと,話の途中この点だけがひっかかっていました。

 最後は「夢になるといけねぇ」で切らずに「だろ?」(だったか,これも記憶があやふやですが)と続けておられました。定番の決め台詞というより,女房への語りかけという雰囲気で,書きながらも思い出して涙が出てきますが,これが客席にじんわりと伝わり,徐々に盛り上がるような拍手が起こっていました。

 先日の,志らくさんのときは,これも正確なせりふは覚えていないのですが(いちいち言い訳つきで申し訳ない)決め台詞的で,ほんの一瞬の間があり,爆発的な拍手が起こった印象で,あれも気持ちの良い体験でした。
 それにしても,千人が水を打ったように静まり返り,何を言うかは百も承知で,どんな間なのか調子なのか云い回しなのかと,その一言に耳をそばだてている。そんな状況で話せる落語家ってすごいな。

立川談志 お別れの会

 会場に向う銀座線で,念の為にと切れぎれの電波を拾いiPhoneで確認し,会場がオークラではなくニューオータニであることに気付く。

 地方からいらっしゃる方が間違えなければいいがなぁなどと,いらぬ心配をしていたが,まんまとだ。
 まぁ,虎ノ門と赤坂見附の違いなので事なきを得る。
 途中,駅売店のスポーツ新聞の見出しで,森田芳光さんの急死を知る。「の・ようなもの」は,最も好きな映画のひとつ。

 会は15:30開始の予定だが,複雑な造りのホテルの中,要所にある「お別れの会はこちら」の案内のおかげで15分頃には会場着。掠れた声を振り絞るように「チャンチャカチャン」を演る家元の姿が,会場手前の行列スペースに設置された大型モニターに流れる。列の後ろに並ぶ早々に進みはじめる。
 本会場にも行列。白い花で飾られた祭壇の中央に高座が設けられ,奥に元気な頃の笑顔。
 順番を待ち用意されていた白いカーネーションを手向け手をあわす。
 一門の真打ち連に見送られ,「人生成り行き」のポストカードを渡されて会場を出たところで,時刻は15:30。
※会場出口で手ぬぐいやCDを販売してるのもご愛嬌。会場代も高いだろう。

THE MANZAI 2011

 優勝はパンクブーブー。初めて見るコンビもいた中で,最も面白いコンビの一つであったのは間違いないけれど,無難というかなんというか。

 M1終了をうけての番組として期待がかかるなか,震災と島田紳助さん引退という想定外の大き過ぎる二つのアクシデントに見舞われた挙句の着地点。
 出場者全員面白く,司会がナインティナインでたけしさん,爆笑問題も顔を出すという豪華さのわりに,番組としての印象が希薄。その象徴が,高須さんの審査員,銀シャリのワイルドカード,パンクブーブーの優勝ということならば納得。
 とはいえ,酒を飲みながら四時間,寝落ちしないで見たのだから面白かった。あぁ,これは立川談志の高座とは対極にあるお笑い番組の形。

チキチキジョニー
 面白いな。メガネのズレ方が美しい。

ナイツ
 基本のフォーマットを踏まえて,常に新しい提示がある。とか,理屈無用な面白さ!お腹痛い。

Hi-Hi
 上田さん。苦手なタイプだけど面白い。あべこうじさん的な。癖になりそう。

テンダラー
 しつこいわ!そんなことされたら,そりゃ笑うわ!

スリムクラブ
 資格≠死角に気付くの遅いぞ>私!
 そろそろ酔い始め。

ハマカーン
 会場の反応からすると,結構知られているんだね。

エルシァラカーニ
 酔いも進んで,詳細不明だけれども,面白かった気がする。

ナイツ(二回目)
 お腹痛いって!
 ナイツ優勝で,浅草のベテラン芸人を引っ張り出す冠番組をみたかったなぁ。

美弥

 こんなにも,判りやすいミーハーだったのか私は!と唖然としている。

 銀座の泰明小学校の近くの路地にあるビルの地下。
 時刻もはやく他に客もいないので,家元の写真と戒名が飾られた目の前の席に陣取り,家元が飲んでいたというハイボールをキウイさんに作ってもらい飲む。
 ちなみに,この日はキウイさんの入門記念日。そして,幸か不幸かキウイさんは家元が認めた最後の真打ちとなった。

立川志らく一門会

上野広小路亭にて。(一人)
開場18:30 開演19:00
前売り・予約1,500円 当日2,000円

 一門会は初めて。志らくさんの独演会を2,3度,志ら乃大作戦を1度拝見したことがある。
立川らく人「子褒め」
 初めて拝見。手の震えが伝わって来る。

立川らく里「長短」
 初めて拝見。出だし,この人大丈夫かなぁと思ったけど,味なのね。面白かった。

立川志ら乃「平林」
 一年以上振りに拝見したけれど,面白くなったなぁ。

(仲入り)

立川こしら「風呂敷」
 初めて拝見。押入れに後ろ手に縛られた裸の男!風呂敷に穴が空いていて,兄貴の話が目に見えるようだ。
 思い出していたら,初っ端の「真打で~す!」が面白くなってきた。

立川志らく「黄金餅」
 家元の話もたっぷり。縛られ過ぎなきゃいいけど。談春さんの「乙女か!」話がここでも。
 餅屋の繁盛の理由が,時々中に小判が入っているからって,何か怖い。
 この一門会,次回からは内幸ホールでの開催となるようです。

立川談春のチケット

 先日の発売日の発売開始時刻と同時にクリックして売り切れとなっていた12/26の白談春のチケットがオークションに出ている。

 出品者の事情はわからない。行くつもりで購入して行けなくなったのか,最初から転売目的なのか。
 いずれにしても,これを購入することで,転売目的の購入を助長することになるんだと,自分を押さえる。
 押さえるが……。このタイミングの談春。観たいな聴きたいな。

立川こはる勉強会

高円寺のGALLERY工にて。(一人)
道灌,雛鍔
初音の鼓,家見舞い(肥瓶),三方一両損

 当然ながら,家元の話題。そこからの流れで仲の良かった談大さんの話。本人も処理出来ていないという話をしんみりと聞かされて,こちらはどうすればいい?

 高田文夫のラジオビバリー昼ズから電話でコメントを求められた師匠の談春さんが,「気持ちの整理がついていない」と断ったことを,「乙女か!?」と揶揄されたという話がおかしい。
 まくらでも漏れ出てくる江戸弁というか俗に言う落語家口調に技巧的なところがなくて,しゃべりそのものとして心地がいい。音楽を演奏する楽器として優れているってことかな。曲目や演奏は,選択次第,今後の精進次第。
 天賦の才なのか浸りきった結果なのかわかりませんが,宝物です。

師弟

 久々に休みの日曜日。目的は10:00から発売開始の立川談春さんのチケット入手。

 08:00には起き出して,チケット発売サイトの確認やクレジットカードの番号を用意。30分前からPCの前にスタンバイ。直前からリロードを繰り返し,発売開始の表示と共にダッシュで操作。なのに既に売り切れって!?
 もともと人気の談春さんですが,談志さんの死去で更に関心が高まったのか。
 がっかりしつつも,面を打つ。なんとか「弱法師」の裏の目留めまでこぎつけ,「小癋見」も形になってきた。
 夜は安い白ワインを飲みながら,分裂前の(五代目)小さん・談志の師弟対談も収録されたDVDを視聴。二人ともあちらに行って,一緒に酒でも飲んでるかなぁ等と,小さんさんの「笠碁」を聴いて思ったり。