2016/09/13(火)20:15@落語・小料理 やきもち
「悋気の独楽」立川生志
この日秋葉原にオープンした新しいお店。
某テレビ局で某落語番組の制作に携わっていたという妙齢の女性が,何かをこじらせて落語が聞ける小料理屋を始めました。
昭和通りから少しはずれた通りに,寄りそう(?)二つ独楽の看板。
入り口には三遊亭小円遊さんからの大きな花籠。
ちなみに,私も形ばかりのお祝いにと黄色い薔薇を一本持参。花言葉は「やきもち」。誰かと被るかと思っていましたが安直過ぎて誰も選ばなかったみたい……
奥まった入口にかけられた暖簾は桂歌丸さんから。文字は橘右橘さん。店に入ると奥には赤い壁を背に作りつけの高座。
通常営業時の状態でテーブルとカウンターで28名(かな?)。テーブルははね上げ式に壁に収納できるらしい。
この日は予約で満席。私が通されたのはカウンター奥で,高座に背を向ける形でしたが椅子を回せば見辛いと言う事も無し。
さてこの日の落語は立川生志さんで「悋気の独楽」。この番組で予約を決めた。
生志さんの「悋気の独楽」は聞いたことは無いが思い入れがある。
随分前になるけれどWOWOWで芸能人が落語家に稽古を付けてもらい落語を演じるという番組があった。
何回かのシリーズで計9人。その殆どが役者かお笑い芸人。その中でただ一人アイドルだかバラドルなのか,磯山さやかさんが「悋気の独楽」に挑戦した。
役者でもお笑い芸人でもない彼女の苦悩と開き直りは感動的で,思い出しても涙が出る。
久本雅美「たちきり」×古今亭菊之丞,伊武雅刀「笠碁」×柳家喜多八なども顔をそろえるメンバーの中では,落語の完成度がどうのということではないのだけれど,なんにしても私の心には刺さった。
で,この時の師匠役が立川生志さんだった。
生志さんを見るのは初めてではないが,今回ばかりは立川流の巧者・実力者としてではなく,あの磯山さやかの師匠が見たい。ということですね。
うん,磯山さんを彷彿させる高座でした。(<怒られるぞ!)
サゲを「心棒」から変えた訳などのお話もあり,「落語・小料理 やきもち」のこけら落としはこれしかありえない,という一席でした。
高座を終えた生志さんと後からいらした五明樓玉の輔さんが,空いたカウンターで飲んでいるという,落語好きにはたまらない状況もあったのですが,私は自宅が遠く,前日も別の落語会で午前様。そのうえ帯状疱疹で右半身あちこちが悲鳴を上げている状況で,早めに失礼いたしました。
頻繁にはかがえませんが,いずれまた。
立川寸志の落語研究部vol.6~昭和四天王とは何だったのか~
2016/08/23(火)19:00@道楽亭
「酢豆腐」
「猫と金魚」(上)
(仲入り)
「蒟蒻問答」
立川笑ニ月例独演会
2016/08/19(金)19:00@お江戸上野広小路亭
「青菜」「耳たぶいらない」に続けて,自信を匂わせていたネタ出しの「不動坊」。初っ端で躓いたものの良い出来。終盤は管見にして初めて聞く形だったけど,うっすら人情話の香り。自賛の良い会だった。
談吉プラスワン
2016/05/23(月)19:15@ラビネスト
「大工調べ(序)」
「そばにいて」
(仲入り)
「腹ギター漫談」ふとっちょ☆カーボーイ
「人情八百屋」
桂宮治独演会『宮治本舗 エピソード Ⅲ』
2016/01/29(金)19:00@内幸町ホール
「オープニングトーク」桂宮治
「孝行糖」 三遊亭遊松
仮面女子~しのぶ亭~日高屋
「強情灸」桂宮治
「蜘蛛駕籠」桂宮治
(仲入り)
「らくだ」桂宮治
遊松さん。もうすぐ二ツ目昇進だとか。
見かけは(実際にも)若いんだけど,声や話し方がチョッと枯れた感じ。面白い。
宮治さんは,なんだかんだの漫談(立川流に含むところがあるな……)からの「強情灸」
この日唯一「入っている話」といっていたが,見事な噛みっぷり。
「蜘蛛駕籠」は先日の宮治展での下ろしたて。皆いいキャラ。
「らくだ」となると立川談志さんのそれを浮かべてしまうのだけど趣が異なる。
兄貴分(特に名前は出てこなかったかな)の雰囲気はベースが渡部篤郎さん,かなぁ。
特長的な体の動きはいささか色を付けすぎとも思ったけれど,後に酒に飲まれた屑屋さんが同じ動きをなぞる件で,判りやすい記号として活きてきた。さすが!
ボソボソっと売れっ子の師匠連に対して毒もはきつつ,ここからというあたりでぶった切る。あんな終わり方ある?初めに終わり方をくさしていた講談だってもう少し纏めるよ。
まぁ,予定時間をかなり超過してたからなんだけど(あそこまでしか覚えてないとかないよね!?),次の機会に楽しみが繋がったと思うことにします。
それにしても,宮治さんのネタおろしのレベルの高さは相変わらず。
マンション
裁判所やら法務局やらなんやかんやの結果,なんとか穏便に部屋の引き渡しを受けた。
ほっと一息だけど,次のフェーズは別の意味でより気が重い。
窓から臨む横浜の夜景も暗雲が垂れ込めているような……
『第12回 談吉百席』@サンライズホール
2015/12/26(土)19:00「第12回 談吉百席」@サンライズホール
「お化けの気持ち」
「笠碁」
(仲入り)
「富久」
談吉納めの落語納め。
春吾さんについては「談春弟子の会」(春太)や「立川談春一門会」,こはるさんとの「二つ目昇進記念落語会」,「ミラクル春吾」併せて10回に届くか届かないか。
熱心なファンだったとは言わないが後味の悪くない「持参金」は,この方と笑二さんの二人でしか聞いたことが無い。まったく違うけど。
ていうか,「弟子の会」とか「一門会」とかが成り立っていたのですよね。
春吾さんから譲られたという一つ紋の着物での「お化けの気持ち」。
チョット複雑な気持ちにもなるけれど,聞く側が気にすべき事では無いか。面白い話。
「笠碁」も好きな話。
こちらの思い込みでしょうが,この会で同じ話を複数回演るとは思っていなかったという戸惑いはありましたが,拍子木と火の用心の声が会場前を通り過ぎた仲入り開けの「富久」も上出来。
良い締めくくりとなりました。
落語家の皆さま,来年も良い落語をよろしく。
『ビリケン落語会』
「権助芝居」
「無料プレゼント」
(仲入り)
「二番煎じ」
桂宮治ビリケン落語会は十数名の程良い入り。
宮治納め。宮治さんも常に間違い無く笑わせてくれる。
二席目は自作の新作。この日初めて試したとのことで,この時点では「無料プレゼント」という名前も決まっていなかったかな?
落語というより,ご自身の体験談の再現といった態で,十数人の客前での口上が超リアル。まるでそのデパートの一角の販売会場に居合わせたかのような感覚になる。
『負けてたまるか!? 立川笑二 vs 立川寸志』@道楽亭
2015/12/20(日)18:00「負けてたまるか!? 立川笑二 vs 立川寸志」@道楽亭
「鮫講釈」立川笑二
「崇徳院」立川寸志
(仲入り)
「一眼国」立川寸志
「小言幸兵衛」立川笑二
このお二人の聞き納め。
常に高値安定のお二人。ネタ下ろしの「崇徳院」「小言幸兵衛」もハラハラしない。
敢えて言えば笑二さんが「鮫講釈」で扇子を飛ばすというハプニングがあったけれど,なんとかサゲに取り込んで見せた。
『まけてたまるか!? 立川こはる vs 桂宮治』@道楽亭
2015/12/10(木)19:00「まけてたまるか 立川こはる vs 桂宮治」@道楽亭
オープニングトーク
「初天神」桂宮治
「・・・・」立川こはる
(仲入り)
「茶の湯」立川こはる
「二番煎じ」桂宮治
流石の大入り。
何人か到着が遅れていた予約のお客さんがいたという理由もあるにせよ、長~いオープニングトーク。
そのためか落語の方がバタバタ気味。
先日の鎌倉の会から一転バッサリと髪を切りサッパリとしたこはるさん。
一席目では意外なと言っては失礼だけど,落語力を見せてくれた。その出来に本人は苦笑いだったけど,良かったよ。
宮治さんは当日思いついて一年ぶりのネタを20分でさらって架けたとか。大したものだと自画自賛だったが,素直に大したものだと思う。
打ち上げも着座ギリギリの大勢が残り大いに盛り上がった。