談吉100% Vol.14(最終回)@ミュージック・テイト西新宿店

2014/06/10(火)19:30 ミュージック・テイト西新宿店

「孝行糖」
「師匠殺しのサイゾー」
(仲入り)
「唐茄子屋政談」

 声が不安だと本人談。聞いている分にはそんな風には感じないが。

 「孝行糖」いつもの。いつも面白い。

 「師匠殺しのサイゾー」聞くのは三回目かな?大仏で台無しの件が好き。

 「唐茄子屋政談」一年ぶりとおっしゃっていたのはこの話か。
 池袋で聞いた記憶を辿るうち,後半,ある登場人物への期待でニヤつく私。そして,やっぱり出ました糊屋のばばぁ。もはや人情噺の範疇には収まらない談吉噺。

 声の方は大丈夫だったと思うのですが,来週末には帯広凱旋公演が控えている。体調を崩されませんように。

 なお,「談吉100%」は今回のVol.14をもって二年半の歴史に幕を下ろし,七月からは原則毎月10日に新しいネタおろしの会を立ち上げるとか。題して「大事な会」。

 大事な会になりそうな予感。

談志DNAをつなぐ落語会(北鎌倉お坊さん☆アカデミー)@円覚寺・佛日庵

2014/06/08(日)13:30 円覚寺・佛日庵

 久々の鎌倉。前日の独演会で楽しませていただいた立川談吉さんの現在の師匠である立川左談次さんがお出になるということで,珍しく仕事を入れてなかった日曜日に,独りで出かけてみる。

「葬儀屋」立川志の八
「お見立て」立川らく次
(仲入り)
「トーク」松岡慎太郎・植竹公和
「阿武松」立川左談次

 志の八さんは初めて聞く。声質が師匠の志の輔さんによく似ている。話も面白かった。お寺で葬儀屋の話。ふさわしいような,しくないような。

 らく次さんは久しぶり。良い意味で以前と変わらない印象で,しっかりとした話。

 左談次さんは二度目。随分前,家元ご存命のころに,九代目・林家正蔵さんの著書をネタにした「読書日記」を聞いたことがあったが,落語を聞くのは初めて。格好のいい師匠でした。

 さて,この日の目玉企画であるトークの方は,家元の実子・松岡慎太郎さんをお招きして,席亭というかプロデューザーというのか,歌う放送作家・植竹公和さんとの対談形式。
 植竹さんご自身が家元のファンなのでしょう,ラジカントロプス2.0で聞きなじみのある声で,親族ならではの視点の話を慎太郎さんからうまく引き出してくれる。お客さんも興味深げに聞きいる。
 企画の意図とお客さんがしっくりとかみ合った良い会でした。

※演者の後方にある祭壇の下手側に,何人かの一般の方の写真が置いてある中に,何処かで見たようなお顔。藤巻幸夫さんに似ている。気になって住職にお尋ねしたところ,やはり藤巻さんでした。

AKB48 37thシングル 選抜総選挙

2014/06/07(土)

 CDもDVDも買ったことはないし,投票もしていない。日ごろテレビでもチェックしているわけではないので大半のメンバーは知らない。柏木由紀さんがNMBを兼任してたこともこの日初めて知った。
 それでも,東京ポッド許可局「前田敦子論」の影響で,ここ三年くらいスピーチ目当てで総選挙を見ている。この日は夕方から用事があったので,帰宅後に録画で。

 上位になるにつれて知った名前も出てくるが,以前はもっと上にいたはずの名前が,思いのほか早いタイミングで呼ばれると,当人の表情を見ていてもいささか辛い。

 印象深かったのは,17位・松村香織さん。初めて聞く名前ですが「SKE48終身名誉研究生」という肩書にふさわしい,抜群のキャラクターとスピーチだった。

14位・生駒里奈さんは,「AKB48(グループ)の公式ライバル」という乃木坂46の設定がきちんと機能していれば,乃木坂ファン全体の支持を受けてもう少し上位に来るかと思いましたが,ここでしたか。

 更に上位では驚異の17歳,4位・松井珠理奈さんの勢いと,それを抑えた3位・柏木由紀さんの強さが光る。

 結局第1位は,途中経過ではダントツだった指原莉乃さんをかわした渡辺麻友さんが奪取。

 それはさておき,私的なこの日のピークは9位・高橋みなみさんの安定のスピーチの後に続いた,8位小嶋陽菜さん,7位・島崎遥香さん両名のスピーチ。流石ですこの二人。

第六回 談吉百席@サンライズホール

2014/06/07(土)19:00 サンライズホール(雨)

「かぼちゃ屋」
「仏四噺」
(仲入り)
「大工調べ」通し

 もれなく面白かった。

「かぼちゃ屋」
 こんなのやったら面白いねぇ,談吉さんは。

「仏四噺」
 先日の私が行けなかった会でおろした新作。ここで聞けて良かった。インコの件とか秀逸。
 もう,毎回一席は新作にしてくれないかな。

「大工調べ」
 先週のこはるさん,火曜日の笑二さんに続いて大工調べだ。なんだなんだ,初夏の話だっけ?
 こはるさんのエッジの利いた啖呵とは違うけど,聞かせます。絶妙の間で次の展開へ繋ぎ,中手を挟ませないあたりも好きだ。

 「大工調べ」という古典落語は「強突く張りの大家を相手に棟梁が小気味のいい啖呵を切る話」だという前提で聞いているけど,普通に考えれば大家が怒るのももっともなんだよね。与太郎も棟梁も随分と失礼なことを言ってる。
 だから,場合によっては,棟梁が逆切れしているとしか思えないこともあるのですが,談吉さんの大家は言い分は正しいのに憎々しい感じで,気持ちが棟梁側に寄って啖呵のカタルシスが感じられた。

 通しでサゲまで聞いたのは初めてかもしれない。
 この話のサゲも,前回の「たらちね」と同様に,最近は使われない言い回しなので正直ピンとこないのですが,事前に一回ふってくれた上で,そのまま演ってくれたのもうれしい。

 イヤー思い出すだけでも楽しい。個人的には,これまで六回の談吉百席でもベストかも。

立川笑二 二つ目昇進記念独演会@北沢タウンホール

2014/06/03(火)19:00 北沢タウンホール

「真田小僧」
「大工調べ(序)」
(仲入り)
「弥次郎」
「子別れ(昭和編)」立川談笑

 「てぃんさぐぬ花」で登場した笑二さん。満面の笑み。嬉しそう。これを迎える客席の拍手があたたかい。

 この日の笑二さんの演目は,笑二歴が浅い私にとっては初の話ばかり。
 これまでは,比較的小さな会場で近距離で聞くことが多かったので,北沢タウンホールのF列という,予想以上に高座から距離のある席で,会場の他のお客さんの様子も視界に入ってくる状況は新鮮。ちょっと醒めた感じで見る。

「真田小僧」
 面白い。金坊の話の入り方とか,やっぱり笑二さん凄い。
 「パパァ」の所だけが(カタカナ言葉だからということではなく)何故入れてきたのか判らない違和感があるけれど。

 一旦下がって,「ハイサイおじさん」で登場。

「大工調べ」
 不思議な言い立て。
 聞きながら先日のこはるさんの大工調べを思い出していた。出来の良しあしとは別に,こはるさんの言い立てって格好がいいんだよ。
 笑二さんは美声とは言えず滑舌もいいわけではない。噛んだり言い間違ったりしているのではないのに,言葉の意味も,音としての一つ一つの言葉も入ってこない。言葉の塊をどんと放り出された感じ。
 けれど,悪くないなぁと感じるのは,やっぱり不思議としか言いようがない。結局,面白いんだけどね。

 中入り後,再度「てぃんさぐぬ花」で登場。

「弥次郎」
 笑二さんならではの弥次郎。抜群に面白い。

 トリは師匠の立川談笑「子別れ(昭和篇)」。

 談笑さんが高座終わりで,笑二さんを舞台に呼ぶ。
 「披露目の席なんだから,ドンドン広めて」という談笑さんのはからいで,撮影OKとなる。皆が一斉に携帯電話のスイッチをオンにし撮影開始。カメラを持ってくるんだったと思いつつ,とりあえず私もiPhoneで撮影。

 終演後のロビーで暫く時間を潰していたのですが,あきらかに南の島からいらしたと思しきお顔立ちの方がちらほら見受けられ,ウチナーグチらしき言葉が聞こえてくる。
 緩やかに南の風が吹きわたる心地のいい会でした。

新にっかん飛切落語会 第351夜@イイノホール

2014/05/29(木)18:30 イイノホール

2013年度表彰式
「金明竹」柳家三三
「七段目」柳亭市馬
「お見立て」桂宮治
(仲入り)
「長短」三遊亭萬橘
「円歌の道しるべ」三遊亭圓歌

 2013年度「にっかん飛切落語会」受賞者表彰式があるとのことで,宮治さんの晴れ姿を見に出かけてみたら,なんと2014年度も同じレギュラーメンバーで引き続き審査が行われるらしい。

 ステージ上手に審査員の面々が着座。下手に椅子が一つ置かれている。
 この日は都合で参加できなかった奨励賞の立川志の春さんはビデオでの挨拶。
 その後,司会に呼び込まれて宮治さんが登場。「戸越銀座!!」の声がかかるが,当人まぁ落ち着きのないこと。見ている方がハラハラする。
 でも,次第にペースを取り戻し,師匠の教えとかのいい話も挟みつつ無事終了。結局,椅子には座らずじまいだったかな。

 落語の方は,贅沢にも,いきなり三三さん,続いて市馬さん。もう,なんて言うか流石です。

 その後に登場の宮治さん。本人も「いじめか」と。
 たっぷり時間を取ったまくらで,前のお二人の由緒正しい歴史的建造物をスクラップ。アンド,自分の足場をビルド。そして「お見立て」を熱演。笑いの濃さでは負けていません。ナイスファイトです。

 仲入り明けで登場は,今日の表彰式で触れられないままだった萬橘さん。こちらも更に辛い。本人いわく「針のムシロ」。
 この日から2014年度の審査が始まるのであれば,表彰式と併せてレギュラーメンバー紹介くらいしてもいいだろうに。この会にくるお客さんは,皆この会のシステムに精通している人ばかりなのかな。審査とか表彰とかに興味が無く,三三,市馬,圓歌の名前で来たような人はいないのだろうか。
 私は一応この会は知っていたけれど,今年も同じレギュラーメンバーで審査が続くとか,この日まで知らなかったし,ある落語会の運営側の方は「にっかん飛切落語会」を知らなかった。
 閑話休題。
 しかし,萬橘さんも流石。攻めのまくらで結構な毒を吐く。
 「長短」のサゲは二段構え。萬橘さんのこのセンス好きだなぁ。

 一旦幕が下りる。上がると圓歌さんが高座に座っている。歩いたり高座への段差を上がったりが辛いらしい。
 ご自身が目の当たりにしてきた落語協会の会長の歴史を語る。「小さん」というから先代かと思ったら四代目の話だったり,お名前しか知らない名人達の姿が浮かび上がる。

 ロビーで販売していた木久蔵ラーメンに心惹かれつつも買わずに帰途。

第十回 こはるパラダイス@のげシャーレ

2014/05/28(水)19:00 のげシャーレ

「真田小僧」
「大工調べ」
(仲入り)
「青菜」

こはるさんの「大工調べ」を聞くのは二度目。他でもかけているのだろうけれど,まだ自家薬籠中とはならない感じ。どうしてだろう?

ネタおろしの「青菜」は季節先取りで今年初めて聞いた。とても好きな話。
途中ちょっと勇み足があったものの良い出来。
葱の件は始めて聞いたが,こはるさんの工夫なのかな?面白かった。

Right Right Right Right@博品館劇場・他

2014/05/25(日)18:00 博品館劇場

この日は国立演芸場の「立川流落語会」や,らくごカフェの「桂宮治 vs 立川吉笑」など心惹かれる公演があったけれど,一等最初に予約したエレキコミック第23回発表会「Right Right Right Right」に妻と出かける。「立川流落語会」は掛け持てないこともないけれど,経済面とかいろいろと……

13:00で新宿での仕事を切り上げ。
銀座博品館劇場の開演までは時間があるので,日本橋室町三井記念美術館で開催中の「特別展 超絶技巧!明治工芸の粋」に行く。朝方,体調がすぐれない様子だった妻も持ち直したようで合流。

凄い。まさに超絶技巧のオンパレード。薩摩焼なんて頭がおかしいとしか思えない。
「漆工」「金工」の部屋は人が多すぎて満足に見られなかったので,平日にもう一度行きたい。

続いては妻の希望で,日本橋大伝馬町みうらじろうギャラリーの展示「FACES and HEADS」。
人の顔って面白い。

日本橋から銀座を目指して歩く。途中エクセルシオールで軽食。本域で勉強してる人が二名ほど。
銀座一丁目目に入り,以前の勤め先をチラ見しつつ,銀座通りを八丁目まで歩く。松坂屋銀座店が消えている。建て替え後は松坂屋は入らず,地下には観世能楽堂が出来るらしい。今の渋谷区松涛にある観世能楽堂には未だ行ったことが無いので,一度くらいは行っておくかな。

さて,エレキコミック第23回発表会「Right Right Right Right」。
もはや恒例となった直前までチケットが売れないという悲痛なアピールも,いざ蓋を開けてみれば連日大入満員らしい。同時期に天王洲で小林賢太郎さんが「ノケモノノケモノ」という舞台をやっているが,ファン層はかぶらないらしく影響はないみたい。

いや,笑った。合間の映像もめちゃくちゃ面白い。妻も楽しんでくれてよかった。
お金を払って他人の悪ふざけを見たいと思わせるのはこの二人くらいなんじゃないか。ふざけのスペシャリスト。10月にも開催されるらしいので,また行きたい。

集まれ! 前座応援団今回は特別編「立川笑二 二ツ目昇進前夜祭」夜の部@道楽亭

2014/05/18(日)18:00 道楽亭

「手紙無筆」笑福亭竹三
「近日息子」快楽亭ブラ坊
(仲入り)
全員でトーク
「悋気の独楽」林家扇
「三方一両損」立川笑二

 笑二さんを中心に道楽亭で定期開催していた前座の会。笑二さん二つ目昇進に伴いブラ坊さんが引き継ぐ形になるようです。私は過去に二度(2013/03/10・2013/04/28)しか来たことがないのですが,笑二さんの卒業祝いと聞いて来てみました。
 他の会の前座としても二度ほど笑二さんを聞いたことがあり,いずれにしても聞いた回数は少ないのですが,毎回その面白さには脱帽。来る6月3日の「昇進記念独演会」@北沢タウンホールもチケット確保済み。(祝完売!)

 さて,今回は特別編なので,メンバーは竹三さんと扇さんが二つ目。ブラ坊さんは前座。笑二さんは二つ目昇進目前の前座。

 竹三さんは狙いではないだろうが,手紙の封を切る仕草で扇子を破ってしまう熱演ぶり。続く,ブラ坊さんも扇さんも達者。

 けれど,好みとしてはやはり笑二さん。お馴染みの三方一両損を大きく変えるわけでもなく演るのだが,何だろうあの面白さは。

 立川笑二23歳,恐ろしい子!

渋谷で鯉八@エチゼンヤ

2014/05/18(日)15:00 エチゼンヤ

「やかん」瀧川鯉毛
「暴れ牛奇譚」瀧川鯉八
(仲入り)
「饅頭こわい」瀧川鯉毛
「天才」瀧川鯉八
「男と女」瀧川鯉八(料金外のおまけとして)

 5月18日はコイハチの日というわけで,先週の新作カフェに続いての鯉八さん。前日の粋歌さんと二日連続での新作も私としては珍しい。(シェアらく縛りともいえるが。呪縛か。)

 予約するかどうか迷っているうちに完売になったこの会。幸運にもキャンセルが出たので即おさえた。

 駅から109の右に進まなければいけないところ,おりしもこの日行われていた鯉八さんの故郷鹿児島おはら祭の賑いにつられて左の道玄坂に入ってしまい迷子になりかけるも,iPhoneに導かれてなんとか「お酒とタバコのエチゼンヤ」に辿り着く。

 鯉八さんの懇願により定員は伏せますが満席(これは本当)。鯉八さんは予約希望を70人断った(と吹聴してくれ)とのこと。鯉八人気凄い!なにより女性率の高さには吃驚。私を含めたわずかな男性は身の置き所に困るほど。

 小さな声で話し始めた前座の鯉毛さん。私は初めて拝見しました。開口一番かと思いきや二人会のようです。元々は鯉毛さんがエチゼンヤさんと知り合いだとか。

 続いて高座に上がった鯉八さん,最前列の女性とのやりとりで彼女が鯉毛さん目当てであることが判明し「どこがいいの?」と尋ねるが女性はなかなか答えず。「好きな理由の一番目や二番目は生々しいから,四番目の理由を教えて」と更に重ねて聞くと,ようやく女性が答えた理由が「聞き上手」……

 さて鯉毛さん。新作もあるようなのですが,この日は古典を二席。聞き上手な前座さんの喋りの方はと言えば,件の女性ばかりでなく,他の女性客にも結構うけていた。あれ?女性率の高さは鯉毛さん効果なのか?

 それはさて置き,鯉八さんはこの日も面白い。前日の粋歌さんとは逆に,作者の独り善がりがそのまま私のツボにピッタリはまる感じ。でも,その裏で,巧妙にして緻密な計算があるような気もするけれど。

 二人で二席づつ四席。物足りないと思っていると,「料金には入れない分」ということで鯉八さんの「男と女」。
 おまけ的な言い方をするから短い話なのかと思いきや,純喫茶くさかべで繰り広げられる数々の男女のドラマをたっぷりと。初めて聞く話で面白かった。最後の台詞をかむあたりも「料金外」だからよし。

 終わって外に出ると17:00。新宿・道楽亭に向かう。