2014立川笑二独演会 冬@お江戸上野広小路亭

2014/12/21(日)18:00 お江戸上野広小路亭

「鮫講釈」
「五貫裁き」
(仲入り)
「鼠穴」

 沖縄の放送局の取材が入っていた。手持ちのビデオカメラで。
 最近は沖縄での仕事も多いらしく,そんな話をひとしきり。手話が15分が限度だとは知らなかった。確かに「20分交代が全国基準」という情報もあった。

 笑二さんで後味の悪い話を聞いたことが無い。個人的にかなり嫌いな「持参金」も,以前笑二さんで聞いた時には悪くないと思えたものだけど,この日の「鮫講釈」では悪い意味では無い逆の感情を持った。
 今までそんなに引っかかったことの無い,講釈に入る前の講釈師の台詞でしんみりしてしまったなぁ。多分私個人の問題なのだけれど。
 講釈そのものは,巧いという部類では無いのだと思う。ただ,後半に突っ込んできたあれやこれやの落語の演目は可笑しかったな。ということで,結局最後は良い感じ。

 「五貫裁き」はサゲで本人曰く37分(だったかな)。変わったサゲの付け方だったけど,それはただ変わった演り方だと思っただけで,良いとも悪いとも。話自体は良かった。

 「鼠穴」は三回目だとか。些細な言い間違いとかはあったけどこれも良かった。
 五十両取られた後の台詞が個人的にはしっくりこなかったのと,ぶら下がる場面を台詞無しで進めたので,踏み台にする大きな石を運んでいる所作などは知らない人には判らないんじゃないか,と余計な心配をしてしまった以外はズット引き込まれていた。

 高らかな「来年は売れに行く!」宣言に続き,政治色濃厚?なメッセージで三本締め。元気な笑顔に一安心の今年の笑二収めでした。

※鼠穴効果か日本酒が飲みたくなり自宅で軽く二杯。

こはるの会 その七@ミュージック・テイト西新宿店

2014/12/16(火)19:30 ミュージック・テイト西新宿店

「権助魚」
「平林」
「目黒の秋刀魚」
(仲入り)
「一文惜しみ」

 雨の西新宿。客席に空きが目立つ。

 「権助魚」よかった。

 「仲入り後の話が長いから」と言いながらも「平林」の後で「秋刀魚をさらっておきたいなぁ」とボソリ。客席の「いいよ」を受けて本当に演ってくれました。この会ならではのやりとりですね。

 こはるさんの「目黒の秋刀魚」は一昨年のパラダイス以来。
あの時も気になった「吉野家」や,「あんかけ」と言っておきながらの「ムニエル」も確か同じ。ご本人は気に入っているのかなぁ。「ムニエル」って語感が何だか面白いだけに,勿体ない気がする。
 でも,ここへきて今年初めて(で,おそらく最後)の「目黒の秋刀魚」を味わえたのはラッキー。

 こはるさんの「一文惜しみ」は今年の春二度聞いている。細部はつめてきているのに纏まりが薄くなった気もする。

 独演会は今年最後とのことで,皆さんに色紙プレゼント。サインではなく手書きのオリジナルいろは歌留多。私は「る」の札をいただきました。

 私的にも今年のこはるさんはこの会で最後。来年はどんな話を聞かせてくれるのか楽しみ。

北鎌倉落語会 柳家喬太郎師匠の会で笑い納め!@円覚寺佛日庵

12月13日(土)13:30 円覚寺佛日庵

「挨拶」住職
「挨拶」植竹公和(プロデューサー)
「狸賽」桂宮治
「金明竹」柳家喬太郎
(仲入り)
「元禄女太陽伝」春風亭ぴっかり☆
「うどん屋」柳家喬太郎
「エンディングトーク」
「三本締め」

 ライヴイベントは最前列で見たい。それが我々夫婦。

別件後,大船駅で妻と落ち合ったのが11:30。一駅で北鎌倉。徒歩すぐの円覚寺。山門から歩くとはいえ,佛日庵に着いたのは12:00前。庵の入り口で確認したが流石に早すぎて戸惑われた。
開場15分前くらいに受付を開始するらしいが,庵自体は観光地としての営業時間内なので,庭に並べられた緋毛氈がかかった縁台に座って待つ。他に数人客 の姿。100円?で抹茶がいただけるらしいけど頼まなかった。もしかすると境内に入るのには本来必須なのかも知れない。申し訳ない。続いて入ってきたお客 さんは,ぴっかり☆さんが出る会でよくお見かけする方々。

ほぼ同時に宮治さん到着。暫くしてぴっかり☆さん,更に時間を置いて喬太郎さんが会場に入っていった。
紅葉の残る山並みに囲まれた雲一つ無い青空。風が冷たいので日向の縁台に移動。陽のあたる背中だけがポカポカと暖かい。

どうやら,我々の前から庭にいたお客さんも落語会目当てらしい。その後ぽつぽつと増える客も全てそんなにおい。
12:30を過ぎ,スタッフの動きが目立ち始める。テーブルを持ち出し色々と並べている。早くから会場入り口付近で立って待っていた一人のお客さんがテーブルの前に並ぶ。我々を含めた他の客は牽制し合いつつ座して待つ。
暫らく様子を伺い用意が整ったようなので妻に目配せして立ち上がる,と同時に庭にいた全員が動く。結果,整理番号は7,8番。改めて見ると結構な人数の行列。喬太郎さん人気だろうなぁ。

会場は前三列(横10人ぐらい?)が板の間に座布団。その後ろと両脇に2,3列椅子が並べられている。本尊を背にする形の高座,木製の組立式だが結構な高さのあるしっかりとした造り。これが客席と同じ板の間に張り出しているので,結果的に演者の真横まで客がいる感じ。

先に入場したお客さんは,最前列真ん中の一人以外は椅子席へ。我々は最前列の下手端を確保。ど真ん中の方との間には二席空きがある。無意味な遠慮,これも我々夫婦の持ち味かな。
そうこうするうちに徐々に席が埋まるが我々の左隣二席は空いたまま。それではと真ん中よりに移動。
ちなみに一番に並んでいたお客さんは,椅子席に陣取っていたが,それが妻には解せぬらしく「一番で入ったのに何故最前列にこないの?」と繰り返している。好みの場所があるんだよ。ちなみに高座がかなり高いので,最前列は首が辛い。
結局,開演時刻にはほぼ満席。100人近く入ったのかな。

さて,ご住職,植竹さんの挨拶に続き登場の宮治さん。前の二人の話が長いと毒づく。更に先日仕事で訪れたという某お寺でのあれやこれや。サイコロとお釈迦様の話は抜きで「狸賽」へ。二列目真ん中にいた三人の小学生もゲラゲラ笑っている。

次に久々の生喬太郎さん。両側の客席が真横まで広がっているのを見て,上下を切るのに首が凝りそうと言いつつ,北鎌倉の雰囲気を褒めあげ,返す刀で愛を込めて池袋を斬り「金明竹」。言うまでも無く面白い。

仲入り開け,ぴっかり☆さんは,師匠小朝さんをネタに「なんとか豚野郎。あッ,伏せるところを間違えた!」っていうのが,単純だけど面白かったなぁ。
この時期ということで赤穂浪士「元禄女太陽伝」。廓話なんだよね。小学生がいるんだがなぁ。今時の小学生は大丈夫なのかもしれないが,こっちが気にしてしまう。でも,前に聞いたのと較べると,チョッと表現を抑えてる所があったかな。

最後は再び喬太郎さん。「ぴっかり☆の後は宮治の後とは座布団の温もりが違う……」とニヤケて見せる。そういえば,メクリはスタッフさんがめくっているが座布団は反していないな。
話は「うどん屋」。こちらも抜群に可笑しく大受けで終了。

高座を降りた喬太郎さんと入れ違いで登場した住職と植竹さん,いきなり次回の宣伝。余韻とか!まぁ,この会も客が集まってこそ続けられるんだから,プロデューサーとしては宣伝に力が入るのも当然か。
その後改めて,演者さんが呼びこまれ,全員でトーク。喬太郎さん,来年は主役として映画撮影に入る。資金集めが大変だって。
https://motion-gallery.net/projects/springhascome

喬太郎さんの音頭で三本締め。

終了時点で16:00。鎌倉散策をしようと思っていたのですが,夫婦そろって昼食抜きだったので寒さが身にこたえ,早々に退散。

※ぴっかり☆さんを褒めておく。庭で開場を待っている時に,演者さんお三方が会場入りするところを見たが,ぴっかり☆さんだけが玄関前でコートを脱いでから引き戸を開けて入って行った。

第20回 立川談吉 大事な会@ミュージック・テイト西新宿店

2014/12/10(水)19:30 ミュージック・テイト西新宿店
「天災」
「よかちょろ」
(仲入り)
「野ざらし」

 談吉さんの「天災」は二日前に聞いたばかりだが,バーガーの先に進んだ。
「よかちょろ」は私的には今年1月以来かな。

「野ざらし」は先月の「渋谷らくご」の一回目の一日目の一人目で聞いて以来。
なんだか,もっとごく最近に聞いたような気がしてよくよく考えたら,先日発売されたCD「談志30歳」で聞いたのと混同しているかも。似ているというわけでも……無いけれど。

「天災」でリクエストには応えているし,この会の位置付けを踏まえたうえでご本人が納得しているのであれば,ネタ下ろしが無くても別にかまわない。
改めて,落語は何度聞いても面白いということを再確認。勿論,面白い落語を面白く演れる落語家であれば,であることは当然だけれど。

27日の「談吉百席」はまた意味合いが異なるはず。何を聞かせてくれるのか,勝手に期待値を上げまくって待つ。

負けてたまるか!? 桂宮治 vs 立川談吉@道楽亭

2014/12/08(月)19:00 道楽亭
「オープニングトーク」
「仏四噺」立川談吉
「薮入り」桂宮治
(仲入り)
「長短」桂宮治
「天災」立川談吉

 何とも勿体ない少なめの客入り。戸越銀座おじさんの姿も見えず。

「楽屋で話せばいい」内容が嬉しいオープニングトーク。
日本の古典を荷う若者らしく,謙譲の精神にあふれたジャンケンで談吉さんがトリに決まり頭を抱える。

「仏四噺」は,とにかく初っ端の「三っつか四っつ」がたまらないのだが,客受けと私のツボがズレていて毎回不安になる話。

宮治さんは,お嬢さんの話で良い父親アピールからの「藪入り」というあくどい演出。まともに聞いたら泣くしかない。
マジ泣きを避けたいので目を逸らして意識を半開きというか半閉じ。山場を乗り切って気を緩めたら,私が嫌いな亀吉の台詞。馬鹿な事をしたと後悔。

仲入り明け。長さんの無類の饅頭好きが伝わる一瞬が可笑しい宮治さんの「長短」。一気に温度が上がった感じ。
まさかのサゲ!マクラで落語の入りやサゲに触れてたのは,これを演りたかったんだね。く,くだらね~(褒め言葉だよ)。
話には出てこない言葉じゃなかったっけ?聞き逃したけど振ってたのかな。まぁ,皆が知ってるからいいか。ご本人も「してやったり」って感じだったし。(まるであの日の笑笑さんのように……)

談吉さんの「天災」では,威勢が良くって喧嘩好き。だけど気のいい八五郎の煙草屋での最後の台詞が大好き。
そして,「ヤナギ」から「バーガー」までのギリギリの飛躍に,今回もまた笑ってしまう。

打ち上げは女性客が一人も参加せず,演者とマスターを入れて,知った顔ばかり男性八人がテーブルを囲む冬景色。
いつもは立ちっぱなしで場を盛り上げる宮治さんも椅子に沈みこんで気が抜けた状況。客と客の間に演者を挟むなどという気配りもなく,私の隣に談吉さん,その隣に宮治さんが隣り合わせでビールを飲んでいる。
見るともなく聞くともなく,この二人が真面目な顔で落語の話をしているのが漏れ聞こえてくるのに秘かに感動。至福の時。
酒が進むにつれ,賑やかにはなるが華やかにはならない会。楽しかったなぁ。

翌々日の談吉さんのだいじな会に向けた,ハードなリクエストも出ていたけど,どうなるか。

「万座 -画廊で落語- vol.3」@万画廊

2014/11/29(土)17:00 万画廊

「ぼくのあにさん」瀧川鯉八
「佐々木政談」柳亭小痴楽
「やぶのなか」瀧川鯉八

 仕事は午後の早い時刻に終了。

 高輪の桂宮治さんの会,両国の立川談吉さんと入船亭小辰さんの会も気になりつつ,銀座の瀧川鯉八さんと柳亭小痴楽さんの会へ向かう。小痴楽さん主体の会で三回目にして初のゲストが鯉八さん。

 今年四月銀座に開店した気になるお店があるので,ここも寄りたいなと。結構人気のお店なので行けば判るだろうと事前に詳細を確認せずに出かけ途中iPadで検索したところ,すでに閉店,というか,原宿に移転していた……

 有楽町駅で降りて駅前の三省堂書店に立ち寄る。獏さんの比較的最近出た本を発見。パラパラとめくったけれど購入済みかどうか判断できず購入を控える。私の記憶力ヤバイ。
 ロフトに移動し店内をブラブラしているうち開演時刻45分前。会場の場所は何となく判るけれど,念のためそろそろ向かおう。先日のミュージック・テイトでは開場前から鯉八ギャルズが大挙して押しかけていたしね。小痴楽さんも女性人気高そうだし。

 開演時刻30分前に会場に到着。「万画廊」。「マンガ(タ)ロウ」を連想したけれど「よろず」と読む。未だお客さんは誰もいない。鯉八さんは既に到着して,周辺を散策中。そのうちに小痴楽さんも到着。

 12/7まで瀬戸出身の作家さん「伊藤幹浩 うつわ展」開催中。髑髏,蜘蛛,妖怪等の絵付けの骨壷や普段使いの食器。優しげな作家さんご本人と奥様も在廊。

 スタッフさんが「う」のパーカーを着ていたので写真を撮らせていただく。プロレス団体とのコラボですと。

 開演時刻は近付いてもなかなかお客さんが来ない。そうか,ギャルズはここには来ないのか。それでも最終的には,ほぼ予定通りのお客様20数名が集まった。やっぱり女性の方が多いかな。落語・小痴楽・鯉八ファンも居なくは無いが,画廊のお客さんや近所の方なども多い感じ。

 広くはない画廊の中ほどに展示用の壁が設置され,使用できるのは半分ほどの細長いスペース。
 奥に設置した高座にあまり近づけずに丸椅子を並べた客席。もっと前に詰められるのにと感じるのはテイトに慣れ過ぎ。

 先ずは,鯉八さんが後方から客席の脇を通って登場。壁の棚に置いてある作品を落とさない様に身体を横にしてそろそろと。最前列下手に座った私の隣は落語が初めてという方。鯉八さんが客席に向かって頭を下げるのに,おじぎを返したおられたのが新鮮。

 鯉八さんが上がってから小痴楽さんがトイレに入ったらしい音が聞こえてきて,鯉八さんがいじる。小痴楽さん自由だな。長めのマクラから短めの「ぼくのあにさん」。受けていた。

 小痴楽さん登場。初小痴楽。いやー,喋るね。喋る。ちょと圧倒される。圧倒されたまま終わってしまった。
 本気か嘘か,この会を長く続けるためにネタを温存するとのことで,この日の小痴楽さんは一席のみ。残念。
 で,仲入り無しで鯉八さんがもう一席。

 「やぶのなか」も大受け。古典落語の縛りが無い方が伝わる客層だったのかな。

 事前のアナウンスは無かったけれど,終演後はワインと軽食で打ち上げ。
 ご本人にとっては聞かれ飽きた話題とは重々承知のうえで,小痴楽さんに二世落語家である事について聞いてみる。なるほどね。
 打ち上げは続いていたがお先に失礼する。

 ミキモトのツリーも見ずに帰って来てしまったけれど,今年が最後なんだってね。

第12回 こはるパラダイス@横浜にぎわい座・のげシャーレ

2014/11/27(木)19:00 横浜にぎわい座・のげシャーレ

「桃太郎」
「締め込み」
(仲入り)
「鼠穴」

 寄席で次の演者さんが遅れていると,高座に上がっている演者さんが間を繋ぐことになる。
 脱いだ羽織を楽屋口近くに投げておいて,次の演者さんが到着して用意が整うと,前座さんがその羽織を引っ張り込んで合図とするというのは,今年どこかで聞いた話。

 これをこはるさんは先日,広小路亭一門会で実際に経験したらしい。

 こはるさんの後に上がるはずだった師匠が予定を勘違いして来ないことが発覚。その次の師匠は未だ到着していない。 
 こはるさんは出番直前まで祈るような気持ちで入口の方を見ていたけれど,次の師匠の姿は見えない。
 覚悟を決めて高座に上がり長めの大きな話を始めたが,楽屋口に投げた羽織が気になって話は上っ面,上下も楽屋口の方に大きく振ってしまう。
 そのうちに,楽屋口に前座さんの手が見えて羽織がピクっと動いたがそれっきり。また暫くして,ようやくズルズルと楽屋に引きずり込まれたので,オチも無くバタバタと話を畳んで高座を降りたそうだ。

 ところが,どうやら件の師匠はこはるさんが上がる前には到着していて,モニターで一部始終を見物していて,まぁこの辺で勘弁してやるかと登場したらしい。

 そんな落語立川流の一門会。よみうりホールの会は一杯になるのに広小路亭では5,6人しか入らない。ほぼ同じメンバーなのに……志の輔,談春は出ないけど。とも。

 後は,本場信州産の林檎と深夜ラジオの話。そうか,こはるさんはジャンク派か。(エレ片は含まないんだね。そーだろうね。)

 演目は,どれもこはるさんでは初めて聞く話。

 10月のブティストホールでの「居残り佐平次」では大事なところで言い間違いがあったが,この日の「鼠穴」でもいきなり躓き,こちらとしてはその後もヒヤヒヤ・ハラハラを引きずってしまう。勿体ないなぁ。
 逆に序盤だったことが幸いして,ご本人的には直ぐに持ち直したのだとは思うけれど。

 お花が自ら吉原へという件での竹次郎の台詞は(私は)初めて聞くもの。ぐっとくる台詞だったけどちょっと浮いた感じ。練れて来れば良い場面になりそうです。

こはる十二支の会 特別編@お江戸両国亭

2014年11月24日(月・祝)18:00 お江戸両国亭

「饅頭怖い」立川笑笑(開口一番)
「弥次郎」立川笑二
「七段目」桂宮治
(仲入り)
「トーク」桂宮治,立川笑二( + 立川笑笑)
「権助提灯」桂宮治
「大工調べ・序」立川笑二

 こはるさんの代演という位置付けの笑二さんがトリ。

 笑二さんは会場入り直後に席亭から「宮治さんが笑二さんのトリを希望している」と聞き,その後に宮治さんからは「席亭の指示」だと聞いたとのこと。
 「どちらかが嘘をついている。」と言いつつ,どちらかに決めつけていますね。
 更に,宮治さんは「笑二さんが自らトリを希望した」と。

 薮の中……

 宮治さんは連雀亭,笑二さんは古典廻しを終えてのこの会。だからというわけでもないでしょうが,お二人とも調子がいま一つか。

 宮治さんは言い間違い,笑二さんも滑舌があやしい。

 珍しくこちらも私的な問題で気分が落ち気味で,落語を聞いている場合じゃなかったといえばそうだったので,いつも以上に意地悪な見方になっていたのかもしれません。

 逆に,開口一番の笑笑さんの「電話器引きちぎり」というフレーズに意味が判らないままはまってしまった。
 話に入っても,微妙なくすぐりを自信たっぷりに嬉しそうに挟んでくる。笑笑さんてこんな感じだったっけ?

 「引きちぎり」は宮治さんも気になったようで,トークの際に舞台に呼び出し「あれは何なの?」と質問,というか詰問。
 ここでも笑笑さんは嬉しそうに自信たっぷりに,フレーズの誕生秘話を語るのだけれど全くピンと来ない。来ないままに,ジワジワと可笑しかったな。

第20回『宮治展』@西荻窪・カフェギャラリーK

2014/11/22(土)15:00 西荻窪・カフェギャラリーK

「道灌」桂宮治
「欠伸指南」桂伸治
「トーク」「抽選会」
(仲入り)
「藪入り」桂宮治

 長めのマクラで一旦下がり,改めて登場しての「道灌」。
 これは,日本コロムビアさんから発売されるCD用の録音対応。
 「親子できこう 子ども落語集」のシリーズだと思うのですが,相応しくなさそうなくすぐりもあったけれど大丈夫かな?
 事前に「絶対に話の途中で携帯電話を鳴らすな!」と繰り返していた宮治さんだが,おきる所で奇跡はおきるものだ。詳細は後日,ご本人があちこちで話すでしょう。

 宮治さんの師匠である桂伸治さんの高座は,宮治さんについて触れた後,先代文治への愛に溢れた逸話の数々。この一門,師匠好きだなぁ。
 演目は「欠伸指南」。味っていうんですかね。経験と技に裏打ちされたさっぱり味。弟子の会でならばという絶妙な味付け。

 続いて,主宰の仕切りによるお二人のBLトーク。抽選会ではお二人の手拭いやサイン色紙,何故か上野鈴本のクリアファイルや春風亭昇々さんの手拭いなど?な景品も並んでいたが,残念,私は当たらなかった。

 仲入り

 「藪入り」は以前に別の方の音源を聞いたことがありますが苦手な話。
 母親が息子の財布の中を見る。そして,あらぬ疑いをかけられて腹を立てたにせよ,息子が親に向かって貧乏人呼ばわり。
 この二点が嫌で後味の悪い話だと思っていたので,トリネタでこの話に入った時には,正直がっかりしました。

 父親が三年ぶりに帰ってくる息子の為にあれこれと計画を立てる件や,いざ帰ってきた息子の顔も見られずに下を向いたまま長々と話をする件では,宮治さん完全に父親の顔。ズルイ。嫌いな話なのにグッとくる。

 まぁ,それだけでも聞いたかいがあったと自分を納得させようとしたけれど,いざ,母親が息子の財布を開ける件にかかると,キチンと理由付けをしてくれて優しい母親の気遣い溢れる良い挿話になってる。
 後で宮治さんに聞いたところでは,某師匠の形を参考にしたとのこと。そうか,こんな処理の仕方があったんだねぇ。「自分の手柄じゃないですよ。」と言ってましたが,あの形を選んだ宮治さんの感覚が良し。

 息子の暴言については勢いで言わせて,すかさず母親の小狡い台詞と父親のあたふた感で笑いを取って後味の悪さを希釈するという力技が効果を発揮しましたが,更に今一つどうにかなるといいなぁ。

 とはいえ,がっかりから入ったこの話。結局,うるっと聞き入ってしまった。

 歳のせいもあるけれど,「妾馬」といいこの話といい,宮治さんの人情話に弱いな。
柳家三三さんの人情話で泣くならまだしも,宮治さんの話で泣くとヤラレタ感が半端じゃない。

瀧川鯉八DVD発売記念・帝都大戦@ミュージック・テイト西新宿店

2014/11/15(土)19:00 ミュージック・テイト西新宿店

「賢者タレ」
「ぼくのあにさん」
DVD先行販売 & サイン会
若林さん(DVD監督)とのトーク & 撮影会

 補助席が出る盛況なれど男性はつばなれせず。
 下手側最前列に座ったものの,びっしりと周囲を女性に囲まれてしまった。

 これまでにも何度か鯉八さんの会に伺ったことがあり,いつも女性率が高いのだけれど,この日は特に際立っていたような気がするな。これはあれか,日に日に女性の支持が高まっているのか。

 「全員女性のほうがよかった。」と,希少な男性客に暴言を吐いていたが,ここまでくればいっそのこと,とも思う。

 この日の木戸銭は先行発売となるDVD販売を見込んでか千円とお安い設定。

 ご本人は20日発売のDVD「新世紀落語大全」のAmazonでの紹介文「新作落語会の新次元!若き天才・瀧川鯉八の世界」にお冠。

 曰く
 「新作落語会の」ってなんだよ。「落語『界』」じゃないのかよ。狭いな。
 「若き天才」とかの制限はいらない。ただ「天才」でいい。
 
 最初の二席に続き,仲入りなしでサイン会からトークへ突入。
 数量限定のアウトテイクDVDが付くとあって,ほぼ全員が購入していたのではなかろうか。勿論,私も購入し,目立たないようにジャケット裏にサインを入れてもらう。

 もう一席を期待していたが,そのまま終了。千円だしね。

 帰宅後,早速アウトテイクを見る。
 本編に収録されるはずだった今年二月の雪のシェア落。私もその場にいたのだけれど,何やら雪の影響?で映像が乱れたとかで肝心の高座は収録されなかったが,楽屋で苦悩する鯉八さんの姿や,シェアタイムのトークなどが結構たっぷり収録されていた。