寸志ねたおろし 春 2015@四谷荒木町・橘家

2015/04/25(土)15:00 四谷荒木町・橘家

「幇間腹」
「西行鼓ヶ滝」
(仲入り)
「景清」

 良い会場。予想に反してちゃんと舞台があるんだね。しのぶ亭さんを少し幅を広げた感じかな。
※良い会場ではありますが,寸志さん曰く「トイレに鍵がかからないのが難点」。正確にいえば鍵はかかりますが……説明が難しいので会場で見て。

 寸志さん作の地図については様々な意見もございましょうが,道が入り組んでいて判り辛いだけだと思うな。

 「幇間腹」は序盤の若旦那が鍼の練習をする件が無く,初めから一八主体の話。

 「西行鼓ヶ滝」は講談からの話らしい。

 最近とみに涙腺が緩い私は「景清」の親子の情にウルっときたが,寸志さんはそこを推すわけでもなく,すかさず笑いを入れてくる。
 どうせなら,突然の雷雨でどこかへ行ってしまった旦那の行動について,取り敢えず説明してくれよという思いはあるけれど。

 どの話でも,言い淀んだり行きつ戻りつしたところが無いわけじゃないんだけど,気にさせないなこの人。

 機器の故障で出囃子が流せなくなった時の関連の蘊蓄とか,演目の選択について戦略的であることを明言したりするあたり,知的で理詰めなのでしょうが,それが鼻に付かずにちゃんと面白さに繋がる。
 異色の経歴が活きているのかもしれないが,結局は才能だよね。

 気になる二ツ目さんは他にもいるけれど,例えば立川笑二さんが60歳でどんな落語を演っているかを私は見ることが出来ない。
 でも,寸志さんの60歳は見られるかも。ギリギリだけど前座時代から見ている落語家さんの60歳の高座を見られるって楽しみ。70歳は無理かなぁ。

横浜えェぢゃないか寄席~音楽と落語と詩の融合~@にぎわい座

2015/04/24(金)12:00 にぎわい座

「平林」桂竹のこ
「たけのこ」望月雅行(役者落語)
「漫才」天神ビクトリーファクトリー
「集団インプロ」sxp
「やかん」柳亭小痴楽
「都々逸親子」三遊亭とむ
「詩朗読 POEMDION」中村剛彦,中村新史
「ジャズ(サックス)」纐纈雅代
「転失気」寝越家こう生(素人落語)
「インプロ」狩俣道夫,マルコスフェルナンデス
(仲入り)
「ボイス」徳久ウィリアムズ
「孝行糖」立川談吉
「ジャズ(サックス)」竹内直,ゲストボーカル:小池リノ,渡辺詞葉,ブル松原

開演前,お客さんは客席の中列以降に集まっていて,前方はがら空き。
当然のように最前列真ん中に陣取る我々夫婦。

開演前にプログラムには名前の無い桂竹のこさんが登壇して諸注意に続いて落語。

プログラム上の持ち時間は全員が15分。
それぞれが持ち時間のなかで精一杯のパフォーマンスを見せようと頑張る三時間半。見応えがあると言えばそうなのですが,見る方も結構疲れた感じ。

天神ビクトリーファクトリーって初めてだけど面白かった。

インプロという(私には)耳慣れない音楽のパフォーマンスは出だしこそ興味を惹かれたけれど15分は長い。ただ,四人のサックス奏者はいずれもかなりの腕なのだとは思う。

小痴楽さんはこのあと埼玉の仕事があったはず。袖から何かの合図でもあったのか,話の途中で落語の動きからは逸脱した動きで,上手を向き何かを確認。無理やりに話をまとめて文字通り走って高座をおりて行った。

とむさんの「都々逸親子」は初めて聞いた話。客席の反応は上々だった。が,何故か高座を降り際の表情がとんでもなく怖かった。あれは客に見せちゃいけない表情。何かあったのかな。

詩の朗読も慣れない身にはどう受け止めたらいいのやら。

纐纈(こうけつ)さんは普通(インプロとかではなく)に三曲演奏。合間のMCがたどたどし過ぎて,演奏の見事さとのギャップが微笑ましい。

寝越家こう生さんの落語は初めて聞きましたが,達者なものですね。

続いてのインプロはスネアドラムとアルト?サックス & フルート & ボーカル?

特殊発声請負?と自己紹介した徳久ウィリアムズさん。
口琴演奏に続き「立川談志が好きで……」と,関連のあるような無いような短い話を即興で続けていくパフォーマンス。隣で妻が「談志さんのは面白いのに」とひとりごつ。形は似ているけど目指しているところは違うんだと思うな。
その後のホーミーが心地よかった。

この日の立川談吉さんは頼もしかった。この位置に立川談吉がいればこそ,盛りだくさん(過ぎる)この日のイベントが寄席という態を保てたように思う。
「付けまつげは取れやすい」(<これ個人的にものすごくツボ),「お山は火事だんべ」から瞬時に方向転換があったのか「孝行糖」へ。
妻は先日のぼたんさんとの会でも「孝行糖」を聞いたので「また……」と言いつつも面白がっている。
これが談吉さんの孝行糖の強度だな。私だって,そこそこの回数聞いているけど,毎回面白い。

竹内直さんは三人のゲストボーカルと比較的スタンダードな曲を。
派手目な衣装のボーカルとの組み合わせは,背景との組み合わせでボーイズ的な絵だなぁとボンヤリ。

宮治本舗 エピソードⅠ@内幸町ホール

2015/04/22(水)19:00 内幸町ホール

「オープニングトーク」桂宮治
「平林」笑福亭希光
「あくび指南~たらちね~あくび指南」桂宮治
「ちりとてちん」桂宮治
(仲入り)
「権助芝居」桂宮治

 前年度,国立演芸場で四回に亘って行われた独演会は毎回大ネタのネタ出し・ネタおろしというなかなかにハードな会だった。その初回がちょうど一年前のこの日。
 宮治さんはその難関を見事に乗り越えたが,いささか疲れたのか新シリーズでは「リラックスナイト」と銘打って内幸町ホールでの開催で,客席数が300から180?に減ったとはいえ,早々に完売し補助席まで出る盛況。

 ご本人は事前のツイートでもオープニングトークでも「リラックスナイト」であることを強調していたが,正しくは「爆笑リラックスナイト」。勿論,爆笑やリラックスの主体がどちらなのか,重々承知の上での発言でしょうが,どうもご本人は全然リラックスしている様に見えない。

 希光さんは鶴光一門の面目躍如(?),エロ方面の話からの「平林」。上方流なのか,よく聞く話とは細部が結構違う。

 さて宮治さんの高座は,特急ちちぶ,お嬢さんの習い事(アバラのヒビはお嬢さんの踵落としによる?)の話からの「あくび指南」。

 この日の「あくび指南」はオチを付けずにそのまま「たらちね」へ。さらに「たらちね」もオチで終わらずに再び「あくび指南」に繋げての変形オチ。
 他の人も複数の話を繋げたり入れ混んだりすることがありますが,これは宮治さんの工夫なのかな?面白い効果もあったけど,全体としてプラスだったかは保留。

 決して,繋げることでつまらなくなったわけでは無く,充分に面白かったのですが,「オチ」が好きな私としては,単純に「オチ」を一つ損したなと思う。
 落語の「オチ」って「芝浜」なんて例外は別にして面白くも上手くもないものが多い。地口オチに限らず当時の知識が無ければ判らないものもあるし判ってもつまらなかったりする。
(こう書きながら思い浮かべているのは 「おせつ徳三郎」の「おまえもお飲み」のパターン。)

 サンキュータツオさんが「落語のオチは照れ隠し」と言っていたが,私の感じ方もそれに近い。
 これでこの話は終わりですよという合図のようなもので,テキストはつまらなくても,どう纏めてくれるのかを面白がって見ている。

 それと,ご本人はこの試みを「お遊び」だか「おふざけ」だかとおっしゃっていて,本当に本人が楽しんでいるのであれば良いのですが,何か新しい事をやらなければという焦りからなのであれば,そんな必要は無いのにと思うばかり。

 でもなぁ,言ってみれば落語家としては駆け出しのようなもので,まだまだこの先が永いのだから,いろいろな事に挑戦して欲しいとも思ったり……複雑。何か,落語の見方がおかしいな私。もっとリラックスして見よう。

 そう言えば,師匠伸治さんの話をしてる時の宮治さんはリラックスして見えたなぁ。

閑話休題。

 「権助芝居」は面白い。宮治さんの権助は面白い。以上!

 それにしても,「あくび指南」のあくびなんかを見ていると,「桂宮治って巧いなぁ~」とつくづく思う。

 次回は7/31(金)。最前列を入手済み。
 この規模のホールが,西荻や道楽亭のようなリラックスというかアットホームな雰囲気に満たされたら凄いよね。

六本木 伊~菜亭 第12回 桂宮治@気楽なイタリアン 伊菜

2015/04/11(土)18:00「六本木 伊~菜亭 第12回 桂宮治」@気楽なイタリアン 伊菜

「ちりとてちん」
「徳ちゃん」
(仲入り)
「反対俥」

一月半振りに桂宮治さんの高座。

 木遣で始まるこの落語会には二回目の参加。

 前回のこの会の時は,宮治さんが酷い風邪をひいていたのを覚えている。
 この日は風邪こそひいていないが,何故かアバラにヒビが入っているらしい。

 昼間の仕事の話。司会だけのはずが結局落語もやることになったとか。
 いろいろな所で仕事をするがお世辞が大事などと言いつつ「ちりとてちん」へ。
 お馴染みの話だけど,前半,わざとらしく料理を褒める中に,会場のイタリアンレストランの壁に貼られていたお勧めメニューをアドリブで放り込み,その名前を言う度にメニューに視線をやるのが更に可笑しい。

 宮治さんのこの話は何度か聞いたけど,途中の「ここがモノでここがシリ」の件がツボ。
 ふんだんに笑いを差し込んでくる宮治さんにしては,失礼ながらそんなに笑いが濃くないこの部分をきちんと演ってくれる律儀さが大好き。毎回ここで笑っちゃうなぁ。削らないでね,ここ。

 続いてお約束のお嬢さんの話から「徳ちゃん」。
 どうも前半で徳ちゃんの台詞が皆無な理由がよくわからないが,花魁の破壊力は凄い。

 宮治さんが二席目を終わり仲入りに入った際に時計を見た世話人さんが「凄い時間だな」と思わず声を漏らした。
 19:30に近い。本来の(世話人さん側)予定ではそろそろ仲入りを挟んだ三席が終わり,打ち上げに入ろうかという時刻。

 そんな声が耳に届いたのかどうか。仲入り明けで再登場の宮治さんの「反対俥」。
 マクラで入念にふった昼間の仕事の話を梃子に,笑いを取る。昼間の仕事の為に自腹で購入したという小道具も再活用。「昼間はこれで大受けだった」と繰り返したが,ここでも充分過ぎる大受け。
 短く終わるかと思えば,やっぱり引っかけオチの二段構え。

 ちなみに,宮治さんはこの日のこの話で,新しいオモシロを生み出しましたよ。

 最後に小道具が不良品だった,ともとれるアクシデントがあったのは内緒。

 30分以上おしで始まった打ち上げも大盛況。会場いっぱいのお客さんの間を渡り歩き盛り上げる宮治さん。やっぱり楽しい宮治さんの会。

 私は翌日も朝から仕事なので途中で失礼したが,この会の呼びものである纏いのパフォーマンスの時間は確保できたのかなぁ?

第九回 談吉百席@東池袋アートスペースサンライズホール

2015/03/14(土)19:00 東池袋アートスペースサンライズホール

「強情灸」
「弥次郎」
「浪曲」(紺屋高尾など)
「夕立勘五郎」
(仲入り)
「寝床」

 妻はお笑いや落語が好きだ。談吉さんの落語も好きなんだと思う。けれど,遠出が億劫で帰りが夜遅くなるのも好まないので都内の落語会に出てくることは珍しい。談吉百席も過去に一度来ただけ。
 今回も強引に誘う事はしなかったが,池袋に餌を発見。

<2/16-3/15 池袋ロフトで「ディック・ブルーナ マーケット」開催>
http://www.dickbruna.jp/news/201502/2484.html

 これをチラつかせて池袋まで誘き出すことに成功。となればサンライズホールはもう直ぐ,というわけで談吉百席二回目の夫婦参加。

 マクラ無しで始めた「強情灸」だったが,直後に一歩引いてジャブ。
 「弥次郎」は初めて聞く部分も多かった。
 続けて家元の話題から浪曲へ。翌日が三月十五日ということで紺屋高尾も少し。
 「夕立勘五郎」は終演後に話をした複数の方からも待望していたとの声。
 仲入り後,トリネタの「寝床」もいい感じに仕上げてきた。

 談吉オリジナルチロルチョコをお土産にいただいて帰路。

 とりたてて,あの話が!とかあの部分が!といった突出した印象よりも,総じて「とっても楽しかった」という感じ。妻も満足のようでホッと胸をなでおろす。

※個人的には,弥次郎が色々と追われ追われて,いくつもの「山を越え 谷を越え 僕らの町にやってくる」のがツボ。

※正直なところ「ディック・ブルーナ マーケット」は想像を遥かに超えてショボかった。が,それならそれでと突っ込み目線で楽しむ。父親に連れられてきていた女の子が持参していた年季の入ったミッフィーのヌイグルミの,もはや灰色だか何だか形容しがたい色合いから,如何に愛されているかが伝わって来た。

第23回 立川談吉 だいじな会@ミュージック・テイト西新宿店

2015/03/10(火)19:30 ミュージック・テイト西新宿店

「猫と金魚」
「万病円」
「目薬」(……)
(仲入り)
「死神」

 明日への階段。その一歩が昇れなかったらしい。いつも以上に悩んだというネタ選びの挙句のこの演目。

 高座でリクエスト一覧とネタ帳を睨んでいるうちに,考え過ぎてネジがとんだのか「万病円」に続いて「目薬」も演るという,常にない大出血サービスぶり。
 私が知ってる「目薬」とはかなり違って,いつかどこかで聞いた,公で演ってはいけないあのネタのように聞こえたけどね。

 「死神」の呪文,今回の選択は微妙だなと思ったのですが,消え際の死神の表情を考えると俄然面白くなった。

 今週土曜日の独演会「談吉百席」までには,とんだネジを締め直して癒されますように。いや,傷ついているかどうか知りませんけど。

負けてたまるか!? 宝井琴柑 vs 立川談吉@道楽亭 Ryu’s Bar

2015/03/07(土)18:00 道楽亭 Ryu’s Bar

「仙台の鬼夫婦~井伊直人」宝井琴柑
「千早ふる」立川談吉
(仲入り)
「孝行糖」立川談吉
「パンを食った次郎長」宝井琴柑

 私にとっては三回目の琴柑さん。講談そのものの経験値が低いので良いも悪いも判りませんが,一席目では講談の気持ちよさを実感。

 談吉さんの「千早ふる」は面白さギリギリ。

 「孝行糖」は特に後半でミスって言うほどでもない引っかかりが続きチョット気になる。
 三回しか聞いたことの無い琴柑さんなのに「次郎長」は二回目。同じ話であることは全くかまわないのだけれど,講談を聞く機会が少ない私としては,折角ならばと,いかにも講談らしい講談を期待していたのでやや肩すかし。

 客席は比較的高齢の男性率が高かったが,打ち上げでは更に凝縮。
 この席で琴柑さんに講談らしい講談が聞きたかった旨を申し上げたところ,「それなら修羅場読みを聞きに来てください」とのお誘い。検討します。

※原因不明(呪いの可能性高し)の胃炎以来,久々の普通食が道楽亭さんのお料理でした。いつも美味しい。

居島一平 エンドレスライブ 狂気の沙汰も客次第 第2回@道楽亭

2015/02/28(土)18:00 道楽亭

妻の誕生日。お子様をお持ちのご夫婦であればその成長で実感されるのかと思う歳月を,彼女が18歳(こちらは37歳)の時に知り合った彼女の歳の積み重ねで実感する。

そんな記念の日に,映画とか美術館とか,この日は興味深い会が揃っていた落語とかではなく,本人の希望により参加したイベントがこちら。お笑いマニアか!

米粒写経の漫才は何度か聞いたことがあり,相方であるサンキュータツオさんは東京ポッド許可局関連のイベントや,渋谷らくごのトークでも何度か拝見しているが,居島さんの単独は初参加。
開場10分前に到着で,5人ほどの行列。それでも最前列ど真ん中を確保。満員御礼とのことで,お馴染みの楽屋スペースもなく,両脇のカウンター?も外された状態。
数日前にTBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」に出演された影響もあったらしく,比較的ご高齢のご夫婦の姿も何組か。場所や道順に関する電話の問い合わせが多かったと席亭の話。
そんな盛況ぶりにもかかわらず,居島さん本人が開演時刻を勘違いして20分程遅刻というハプニングからの開始。

内容としては居島さんがボロボロの浴衣に旧日本軍の帽子という出で立ちの「戦後生まれの傷痍軍人」という態で,主に日本史に関する膨大な知識に基づいたライト(right)な話題をひたすらハイテンションで喋り続ける。
40分ほど喋り続けたあたりで飛び入りゲストのねずっちさんと交代。その後に仲入り。

仲入り後も喋り続け,最後は客席も巻き込んだ三島由紀夫さんのモノマネで終了。

居島さんは顔も声も迫力があるうえに,ステージ最前に立たれるので,大きな声を出すたびに怯える妻。ほぼ真上を見上げる感覚で首が痛かった。

居島さん,ねずっちさん,居島さんの後輩芸人さん(ごめんなさいお名前忘れた)をお客さん9人で囲んで打ち上げに,ラジオきっかけのお客さんの姿は無し。

ところで,このイベントを知ったのは妻と二人で参加した道楽亭の出張寄席で見たチラシでなのですが,その時の妻の反応を私が勘違いしたふしがある。
自分の誕生日のチラシを発見して,その内容が自分も好きな東京ポッド許可局繋がりの居島さんのイベントであることを私に告げる。
単にそれだけのことを私の脳内では「妻が居島さんのイベントに参加したがっている」と捉えたようです。でも,拒否もしなかったし,最前列に座って居島さんの迫力に怯えながらも,打ち上げ後は「楽しかった~!」と言ってたので結果オーライ。

『よこはま宮治展』@のげシャーレ

2015/02/25(水)19:00「よこはま宮治展」にぎわい座・のげシャーレ

「オープニングトーク」桂宮治,瀧川鯉○
「狸札」瀧川鯉○
「徳ちゃん」桂宮治
「花見の仇討」桂宮治
(仲入り)
「百年目」桂宮治

 最前列確保のため新宿の仕事を一時間早く終える予定だったのに,すっかり忘れて定時まで仕事。
 結局のところ間にあって,しかもほぼ満席だったのに上手端とはいえ最前列を確保。皆が最前列に座りたがるわけじゃないんだなぁと改めて。

 開演直前,私の直ぐ近くの舞台袖から誰かが客席を覗きこんでいたけれど,あれは宮治さんだったのかな。

 二ツ目昇進間近のこの日の前座,鯉○さんの回のチラシが折り込まれていた事について一通りいじる。

 今までで最も辛かったという,この日の朝からの仕事の話。JR池袋駅で見かけた中国人観光客の話。お嬢さんの話。今だから語れる師匠,桂伸治さんの話。

 先日の要町では私のリクエストを却下された「徳ちゃん」が聞けた。
 他の人で聞いたことが有るような無いような……古典と言うよりは古めの新作なのでしょうか。
 題名が「徳ちゃん」なのに,前半は別人ばかりが話しているような印象があり,敢えて「徳ちゃん」の人となりを出し惜しんでいるのかと勝手に妄想が膨らむが,動き出してからの徳ちゃんが普通の人なのでいささか拍子抜け。
 というよりも,花魁が強烈すぎるのか。凄いなぁあの花魁。結局のところ面白かった。

 「花見の仇討」は要町に続いてだけど,やっぱり面白い。
 「百年目」を控えてるためか,あまり捏ねずに素直な高座で実力発揮。山の上で待っている浪人が下でうろうろしている巡礼兄弟を目で追う辺りとか巧いよね。

 ネタ出しの「百年目」は主宰者指定のネタ下ろしでもあるらしい。
 長めに間をとった場面で,台詞がとんだのかと勝手に心配したが,そんな訳でもなく流石の出来。。
 充分に仕上げてきたというよりも,その場で作り上げるだけの素地があるんだろうな。
 先日テレビで拝見した古今亭寿輔さんの名前が出て笑った。

 次回の「よこはま宮治展」は8月26日(水)との速報。

 帰宅後に見た,BS笑点特大号の録画でも宮治さん登場。