富士日記

 一富士,二鷹,三なすび。で,武田百合子さんの「富士日記」。文字通りの日記です。日記と名の付いた小説とかではなく,まんま日記です。

 もう20年位前,先ず夫君である泰淳氏の「富士」を読み,その流れで「富士日記」を手にしたわけですが,これが面白かった。今回読み返してみても,その感想は変ることは無い。

 泰淳氏から勧められていやいや書きはじめた,公にする気は無かった日記。「天衣無縫」と形容されていましたが,身の回りの出来事をそのまま気取らず書いている。小説家の身内という特殊な環境とはいえ,書かれているのはどの家にも起こりそうな出来事ばかり。それが,何故これほど面白いのでしょう。日記の態をした,計算しつくされた小説とでも言われた方が納得するくらいです。

 その後に,何冊か本を出されていますが,いずれも小説ではなく日記形式のもの。天衣無縫の文章は変ることなく,読む人を包み込みます。

書籍

 といっても必ずしも小説類だけでなく、雑誌とかも含めるかも。

 これもまた読書好きともいえないのでしょうが、通勤の電車で読むものがないと落ち着かないタイプ。

鷺沢萠さん

 鷺沢萠さんが亡くなった(2004/04/11頃)ことを今日になって知る。

 35歳というのは驚きだった。近頃は読んでいなかったが,ずいぶんと昔に「スタイリッシュキッズ」他何冊か追った時期があった。あの頃彼女は何歳だったのだろう。
 当時の私は,所謂「若手女流作家」の作品にはまっていて,鷺沢さんの他にも山田詠美さんや、椎名桜子さんまで含めて読んでいたな。何か,きれいな(?)女性が書いた文章を読むことが気持ちよかったのです。サラサラと流れる感じで。
 ところで,「椎名桜子」で検索して見ると,意外なところで名前が復活してますね。(魔法先生ネギま!)