2014年10月22日(水)19:00 国立演芸場
ゲスト:ナイツ
「オープニングトーク」桂宮治
「金明竹」柳家蝠よし
「大工調べ(通し)」桂宮治
「漫才」ナイツ
(仲入り)
「居残り佐平次」桂宮治
開演時刻前に緞帳上手脇から浴衣姿の宮治さんが登場してトーク,といういつものパターン。
生憎の雨空だったので,夫婦でコソコソ「お足もとの悪い中,って言うよね」と話していた通りに始まり(そりゃそうだ),空席が目立つ会場を見渡して自虐的な話から始まるが,そうこうするうちにも次々とお客さんが入り,結局は結構な入りになる。
一旦下がって緞帳が上がる。先ずは前座の蝠よしさんの「金明竹」。なかなか達者。そして面白い。
続いて「阿波踊り」の出囃子で宮治さん登場。宮治さんが何を演るかを知った上での蝠よしさんのネタ選びにチクリ,というかグサリ。長いマクラに続いて「大工調べ」。
前に宮治さんの「大工調べ」を聞いたのは9月13日の「シェアする落語」。
あの時はトリネタだったためか密度の高い棟梁の描写に固唾をのんだ覚えがあるが,この日は比較的軽めに進み,これはこれで楽しい。「まぁ,この後に居残りが控えているからなぁ」と独り合点していたら,与太郎の(チャッカリと「金明竹」も取り込んだ)ヘロヘロな啖呵で終わらせずに,白州の場面に突入し通しで聞かせてくれた。頑張るなぁ宮治さん。
宮治さんが高座を降りると緞帳が下がる。アナウンスも無く,ここで仲入りなのか?と戸惑いながらも席を立つ人多し。
微妙な間の後で緞帳が上がると舞台上に座布団も高座も無く,メクリには「ナイツ」の文字。
隣で「オー!」という声。妻の歓声である。我々夫婦そろってナイツが大好き。落語,漫才,コントその他含めたお笑い系の芸人さんの中でも最上級に好き!!
会場がザワつく中ナイツ登場。慌てて席に戻るお客さんが落ち着いたところを見計らって始まった漫才の面白い事。塙さんのボケっぷりも物凄いが,漏れなく拾いまくって笑いを増幅させる土屋さんの突っ込みが圧巻。こちらが知らないネタや忘れていたネタでも爆笑を生み出す。
以前ラジオで,事前の打ち合わせ無しで舞台に上がると聞いたけど,一回だけ土屋さんが突っ込み損ねたネタがあったのもリアルで面白かった。いや,笑わせていただきました。
しかし,こんなゲストを呼んじゃって怖くないのか,などというこちらの心配は余計なお世話とばかりに,仲入り明けの宮治さん,キッチリと空気を作ります。
四日前に鎌倉で聞いた「居残り佐平次」。あの段階でも充分に面白かったのですが,更に仕上げてきた印象。あくまでも印象なので,何処がどう違うとかは説明できませんけど。
よく判らなかったのは,佐平治が勝さんの部屋で酒を飲むところ。初めに勝さんに注がれた後,何度となく杯ならぬ湯呑を傾け飲み干している様に見えるのに,勝さんが明確に継ぎ足すのは後半の一回だけ。
あれは,都度飲み干しているわけではないのか,合間合間の勝さんの酌は省略しているのか,空の湯呑を飲むふりをして勝さんに無言で催促しているのか……。ちょっと理解出来なかった。
それにしても,こんなキャラクターに宮治さんは抜群に嵌るなぁ。演じてるというより,まんま宮治さんだもの……
サゲは「おこわ」のパターン。判り辛いことは承知の上で,マクラで丁寧に説明をしてこのサゲにするという,宮治さんの選択が好ましい。
ゲストも大当たりで,宮治さんの高座も楽しく幸せな会でした。
いよいよ年明け01月19日(月)の次回がシリーズ最終回。ますます高まるゲストへの期待。そしてネタおろしが「二番煎じ」と「夢金」。
「二番煎じ」は楽しそうだな。「夢金」はどんな感じになるんだろう。前売りチケットは購入済み。ひたすら待ち遠しい。