第18回 立川談吉 大事な会@ミュージック・テイト西新宿店

2014/10/11(土)19:00「立川談吉 大事な会」ミュージック・テイト西新宿店(曇り)

「ぞろぞろ」
「田能久」
(仲入り)
「火事息子」

 誠に申し訳なかったが,この日の私は眠かった。寝不足が続き当日は仕事の後,会が始まるまでの時間で仮眠を取ろうと思っていたのだが,仕事が長引いたり,急な冷え込みで思わず無印良品にフリースベストを買いに行ったりして,結局その時間も無かった。

 なわけで前半は記憶の瞬断もあるけれど,「ぞろぞろ」は好きな話。楽しいぞろぞろだった。
 「田能久」はご本人もおっしゃっていたが,談吉さんで良く聞く話。そんな話の中にこそ面白い発見がありそうなものですが,聞く側も最低限の体調は整えてこないとね。勿体ない。 

 「火事息子」はネタおろしかな。志ん朝さんとかの音源で聞いたことはあるのですが,随分と印象が違う。
 同じ物語だけれど,序盤から中盤で取り上げている部分が違うのかな。
 父子の対面から母親が絡んでくるあたりは,聞き知ったやりとり。母親のはしゃぎっぷりが可愛い。

 話を「ぞろぞろ」に戻します。談吉さんで聞くのは初めてだと思っていたのですが,調べてみたら聞いていました。
 私の初談吉が一昨年の「ぞろぞろ」だった。

 私は今でもそれほど多くの落語家さんを聞いているわけではないが,当時は今以上に間口が狭かったし「立川談吉」という落語家の存在は談志さんが亡くなるまで知らなかった。
 「談志が死んだ」とたんに氾濫した関連情報のなかで見かけた「立川談吉」という名前は,常に「立川談志最後の弟子」というキャッチフレーズがくっついていた。
 「胡散臭い」というのが正直な印象だった。

 あのままであれば,自分から積極的に立川談吉を聞くことは無く,寄席や一門会より独演会に行く方が圧倒的に多い私は,偶然にしても立川談吉の落語に出あう可能性も低かったろうな。

 2012年1月31日のよみうりホール。妻と出かけたのは「談志ザ・ムービー『芝浜2007特別編』」夜の部。

「ぞろぞろ」立川談吉
「火炎太鼓」立川志らく
(仲入り)
「芝浜」(映像)立川談志

 当時の記録

談志最後の弟子となった立川談吉さんの「ぞろぞろ」。初めて拝見するが,千人を前に怯む素振りも見せず,客席の反応を確認しつつ堂々の高座。30歳になったばかりとのこと。面白い。楽しみ。

と書き残している。この印象はよく覚えている。

 私は熱狂的というほどの談志ファンではなく実際の高座を拝見したのは数回くらい。最後が2007年の芝浜だった。
 複雑な気持ちでその時の高座の映像を確認しに行ったのだけど,都合よく勝手に解釈して,談志さんが最後の弟子を私に紹介してくれたんだと思うことにしている。
 「まぁ,とりあえず一回聞いてやってくれ。」ってところかな。

 結局その一回で私は立川談吉を聞くようになり,今では最も頻繁に聞く落語家さんの一人になりましたとさ。

 あぁ,そうか「ぞろぞろ」だったか。ぼんやりと思いだしてきたような……