2005/05/15神奈川県民ホール。顔ぶれは出演順に春風亭小朝、林家木久蔵、柳家花禄。それに曲芸というのか太神楽というのか、翁家勝丸さん。
この方が、なんでしょう、どう見ても何度かマジに失敗してましたね。フォローの喋りは面白いんですけどねぇ。
小朝さんは創作を。この方,誰もが認める才能の持ち主ですし,現在の現役噺家さんの中ではピカイチだと私も思います。
二十年も前でしょうか,新橋演舞場の小朝さんの公演に行いきました。確か演舞場で落語の公演が行われたのはそれが最初だったと思います。当時から小朝さんは特別な存在で,そうでなければ演舞場でなど出来ませんが,感嘆したのを覚えています。とは言っても演目などは覚えておらず,その時に前座を務めて「あにさん(小朝さん)が演舞場で初めて落語をやるといっても,先にやるのはあたしですから……」と言っていたのが,今は亡き四代目桂三木助さんだったのが今となっては印象的ですが。
でも,時に理が勝ち過ぎるというか,狙いがタイトというか,今日の噺は,「寝たきり老人」「嫁舅」「葬儀」といった題材に「カラオケ」をからめて扱い,いささか際ど過ぎる内容だったような気もします。小朝さん目当てのお客さんにはよいのでしょう。改めて小朝さんを聞いてみたいと思います。
木久蔵さんは、笑点ネタや八代林家正蔵(林家彦六)の真似できっちり笑わせてくれました。
花禄さんが仕切った口上。花禄さんは似た境遇の身の上話。
小朝さんは「正蔵は他の噺家がどんなに稽古をしても身につかない,生まれつきの何かをもっている。」と持ち上げ「その代わり,誰もがもっているものを持っていない」と落とす。十年後の正蔵を楽しみにしろと言い,その頃には正蔵が放棄した?三平を自分が継ぎ,花禄が小さんになっている,とも。木久蔵さんがどうなっているのかには触れなかったな小朝さん。(小朝>三平は無いと思うぞ。本人も本気でなりたがっているとも思えないし。)
木久蔵さんが無難にまとめる。
花禄さんは「長短」。この方も評価が高いようです。私も嫌いではありません。でも,小朝さんとは違う意味で,計算し過ぎというか,作りすぎというか……。等といっている時に頭の中に比較の対象として浮かんでいるのは小さんさん。それは酷というものでしょうね,我ながら。方向性も違うのだろうし。
さて九代林家正蔵「子は鎹(かすがい)」
期待通りでした。それ以下でも、かといってそれ以上でもなく。今の段階では,(面白くないという意味ではなく)面白味に欠けるきらいはありますが,まっとうに取り組んでいる姿勢には期待。また見たいと思います。