宝井琴柑講談会 きんかんよみ~初夏のコイ~@お江戸日本橋亭

2015/05/17(日)13:00 お江戸日本橋亭
「水戸黄門が野菜を作る話?」神田こなぎ(前講)
「五條橋」宝井琴柑
「雨月物語 夢応の鯉魚」宝井琴柑
(仲入り)
「荒木又右衛門が棒術の達人と試合をする話?」 一龍斎貞橘
「お富与三郎 玄冶店」宝井琴柑

 日曜の午前中。マンション管理組合の会議があり,午後から仕事へ。「オークションへ行かないでね」と前日の立川流一門会での私の衝動を見透かして妻の一言。
 「仕事だよ。」といいながら,実はその前にお江戸日本橋亭へ。隠すつもりは無かったけれど,言いそびれちゃった。

 講談だけの会は初めて。やはり落語の会とは違った雰囲気(な,気がする)。
 とりあえず客席に知った顔がいない。太鼓も鳴らずに幕が開く。出囃子無しで演者登場。
 前講となっていましたが,呼び名は前座さんでいいらしい。前座さんが少なくなって,特に土日の会では奪い合いだとか。
 こなぎさんは天下の副将軍がお百姓さんに「農は国の基」と諭されて自ら畑を耕して野菜を作るという話。
 琴柑さんの「五條橋」は,お馴染みの牛若丸と弁慶の話。
 「雨月物語 夢応の鯉魚」は上田秋成を基に琴柑さんが書き起こした台本だとか。不思議な話。

 仲入り開けて,やはり太鼓も出囃子もなくゲストの真打:一龍斎貞橘さんが登壇。

 マクラと言うのか導入部は普通に話されていたが,講談に入るとチョット癖のある発声になる。初めのうち少し気になっていたが,次第に引き込まれる。
 荒木又右衛門は曾我兄弟・赤穂浪士と並んで三大仇討ち話の一つなのだそうだが,この日の話はそこに至るズッと前の出来事らしく,軽くて笑い所も多く楽しい。
 門外漢にも判る真打の巧さ。

 トリの琴柑さんは「お富与三郎 玄冶店」。私が知っているのは,琴柑さんも触れていたが春日八郎さんの歌。知っているとはいえ部分的で,全体としてどんな話かは知らなかったが,かなり暗い話だった。
 まぁ,これも長く続く話の一部分らしい。
 ちなみに「五條橋」が武芸物,「雨月物語」が文芸物。「お富与三郎」は「世話物」と言う事になるらしい。

 講談,面白いけど,広くて深そうな世界。