2015/04/22(水)19:00 内幸町ホール
「オープニングトーク」桂宮治
「平林」笑福亭希光
「あくび指南~たらちね~あくび指南」桂宮治
「ちりとてちん」桂宮治
(仲入り)
「権助芝居」桂宮治
前年度,国立演芸場で四回に亘って行われた独演会は毎回大ネタのネタ出し・ネタおろしというなかなかにハードな会だった。その初回がちょうど一年前のこの日。
宮治さんはその難関を見事に乗り越えたが,いささか疲れたのか新シリーズでは「リラックスナイト」と銘打って内幸町ホールでの開催で,客席数が300から180?に減ったとはいえ,早々に完売し補助席まで出る盛況。
ご本人は事前のツイートでもオープニングトークでも「リラックスナイト」であることを強調していたが,正しくは「爆笑リラックスナイト」。勿論,爆笑やリラックスの主体がどちらなのか,重々承知の上での発言でしょうが,どうもご本人は全然リラックスしている様に見えない。
希光さんは鶴光一門の面目躍如(?),エロ方面の話からの「平林」。上方流なのか,よく聞く話とは細部が結構違う。
さて宮治さんの高座は,特急ちちぶ,お嬢さんの習い事(アバラのヒビはお嬢さんの踵落としによる?)の話からの「あくび指南」。
この日の「あくび指南」はオチを付けずにそのまま「たらちね」へ。さらに「たらちね」もオチで終わらずに再び「あくび指南」に繋げての変形オチ。
他の人も複数の話を繋げたり入れ混んだりすることがありますが,これは宮治さんの工夫なのかな?面白い効果もあったけど,全体としてプラスだったかは保留。
決して,繋げることでつまらなくなったわけでは無く,充分に面白かったのですが,「オチ」が好きな私としては,単純に「オチ」を一つ損したなと思う。
落語の「オチ」って「芝浜」なんて例外は別にして面白くも上手くもないものが多い。地口オチに限らず当時の知識が無ければ判らないものもあるし判ってもつまらなかったりする。
(こう書きながら思い浮かべているのは 「おせつ徳三郎」の「おまえもお飲み」のパターン。)
サンキュータツオさんが「落語のオチは照れ隠し」と言っていたが,私の感じ方もそれに近い。
これでこの話は終わりですよという合図のようなもので,テキストはつまらなくても,どう纏めてくれるのかを面白がって見ている。
それと,ご本人はこの試みを「お遊び」だか「おふざけ」だかとおっしゃっていて,本当に本人が楽しんでいるのであれば良いのですが,何か新しい事をやらなければという焦りからなのであれば,そんな必要は無いのにと思うばかり。
でもなぁ,言ってみれば落語家としては駆け出しのようなもので,まだまだこの先が永いのだから,いろいろな事に挑戦して欲しいとも思ったり……複雑。何か,落語の見方がおかしいな私。もっとリラックスして見よう。
そう言えば,師匠伸治さんの話をしてる時の宮治さんはリラックスして見えたなぁ。
閑話休題。
「権助芝居」は面白い。宮治さんの権助は面白い。以上!
それにしても,「あくび指南」のあくびなんかを見ていると,「桂宮治って巧いなぁ~」とつくづく思う。
次回は7/31(金)。最前列を入手済み。
この規模のホールが,西荻や道楽亭のようなリラックスというかアットホームな雰囲気に満たされたら凄いよね。