2015 立川笑二独演会~「師匠の噺」と他二席~(黄金餅)@お江戸上野広小路亭

2015/03/21(土)19:00 お江戸上野広小路亭
「饅頭怖い」
「猫の忠信」
(仲入り)
「黄金餅」

何度目かの「饅頭怖い」。蟻から馬に架けての件が何度聞いても秀逸。

「猫の忠信」は他の人でも聞いたことが無い,初めての話。独自の工夫も盛り込まれているようで面白く聞いた。
しかし,後でネットなどで調べた一般的な演り方に比べて面白くなっているかは微妙なところ。

「黄金餅」が「師匠の噺」,談笑さんの形ということなのでしょうか。
談笑さんのこの話は聞いたことが無いのですが,うすうすお互いに気付いているとはいえ,隣の家を覗き見ながらやいのやいの文句を言う金さんや,金さんに見られていることが判りつつ餅を食べる西念さんの心情が判らない。
途中,お金を飲みこんでいることが判ってからの金さんの行動にも引いた。

しかしながら笑二さんが既定演技と言っていた言い立てを過ぎてからは笑二ワールド。
金さんが西念さんを背負って焼き場に向かう件などは,笑二さんならではの可笑しさ。

オチについてはこれもまた一般的なものより良いとも思わないが,悪いわけじゃない。

自分の文章を読みなおすと褒めていないようだけど,実は凄く満足している。
ただ,もっと別な演りかたもあるんじゃないかという想像の余地があって,どんどん期待が膨らんじゃうんだよね。

次回は5月24日(日)で粗忽長屋。楽しみ。

第3回 横浜本牧ゴールデンカップ寄席@本牧ゴールデンカップ

2015年03/18(水)15:00 本牧ゴールデンカップ

「子ほめ」立川らくみん
「初天神」下村 萌
(仲入り)
「バイオリン・ギター演奏」西田けんたろう・土屋秀樹
「千早ふる」立川談吉
「権兵衛狸」立川談吉

 普通であれば足を運ぶのは難しい時刻設定の会。運転免許の更新もあり休みを取った。
 朝ゆっくり起き,溜まっていた作業をのんびりこなしていたら,のんびりし過ぎて更新に行くと落語に間に合わないという時刻。更新期限は先なので本日は断念。

 この日は妻は誘わなかったが「本牧なんて随分前に三溪園に行ったきりだな」と言うと「三溪園なんて一緒に行ったっけ?」……。内心冷や汗をかいたけど,炎上することも無くうやむやに。

 先ずは日ノ出町駅へ。にぎわい座で3/30こはるさんの会のチケットを入手するつもりだったが設備保守の為に閉館。

 そのまま吉田町を抜け根岸線と並行して歩き,横浜スタジアムや中華街の脇を通り元町を過ぎる。
 通りの左,海側を歩き第二山手隧道をくぐる。昔ながらの商店街に今日の会のポスターが張られていた。商店街が途切れて更に進むと,通りから少し奥まった入口がゴールデンカップ。ちょうど一時間くらい歩いたか。

 会場時刻の14:30に入店。50年の歴史のある店とのことですが,それほど重々しいわけでもない。木戸銭は予約扱いで900円。最前列のテーブル席に陣取り,グラスの白ワイン500円を注文。
 らくみんさんの落語が始まった時点では明確にお客さんと判るのは三人。
 
 「子ほめ」は悪くなかった。女声なのは当然だけどそれほど気になることも無く聞きやすいし。

 途中ぽつぽつと客が入り談吉さんの落語が始まった段階で十人かな。

 「千早ふる」を終えた時点で残り時間15分。ネタ選びを間違ったと言いつつ「権兵衛狸」。
 「病みあがり」というより「病み中」で喉が不安と言いつつ,どちらの話でもきっちり笑いを取る。

 二人会とか三人会で談吉さんが最後ということはあったけど,前座さんから始まり音楽(色物)もありの座組みでトリをとる談吉さんを見るのは初めてだなぁ。真打っぽかったなぁ……。
 などと考えながら,帰りは通りの山側を歩いて山手隧道を抜けて日ノ出町駅へ。

第九回 談吉百席@東池袋アートスペースサンライズホール

2015/03/14(土)19:00 東池袋アートスペースサンライズホール

「強情灸」
「弥次郎」
「浪曲」(紺屋高尾など)
「夕立勘五郎」
(仲入り)
「寝床」

 妻はお笑いや落語が好きだ。談吉さんの落語も好きなんだと思う。けれど,遠出が億劫で帰りが夜遅くなるのも好まないので都内の落語会に出てくることは珍しい。談吉百席も過去に一度来ただけ。
 今回も強引に誘う事はしなかったが,池袋に餌を発見。

<2/16-3/15 池袋ロフトで「ディック・ブルーナ マーケット」開催>
http://www.dickbruna.jp/news/201502/2484.html

 これをチラつかせて池袋まで誘き出すことに成功。となればサンライズホールはもう直ぐ,というわけで談吉百席二回目の夫婦参加。

 マクラ無しで始めた「強情灸」だったが,直後に一歩引いてジャブ。
 「弥次郎」は初めて聞く部分も多かった。
 続けて家元の話題から浪曲へ。翌日が三月十五日ということで紺屋高尾も少し。
 「夕立勘五郎」は終演後に話をした複数の方からも待望していたとの声。
 仲入り後,トリネタの「寝床」もいい感じに仕上げてきた。

 談吉オリジナルチロルチョコをお土産にいただいて帰路。

 とりたてて,あの話が!とかあの部分が!といった突出した印象よりも,総じて「とっても楽しかった」という感じ。妻も満足のようでホッと胸をなでおろす。

※個人的には,弥次郎が色々と追われ追われて,いくつもの「山を越え 谷を越え 僕らの町にやってくる」のがツボ。

※正直なところ「ディック・ブルーナ マーケット」は想像を遥かに超えてショボかった。が,それならそれでと突っ込み目線で楽しむ。父親に連れられてきていた女の子が持参していた年季の入ったミッフィーのヌイグルミの,もはや灰色だか何だか形容しがたい色合いから,如何に愛されているかが伝わって来た。

第23回 立川談吉 だいじな会@ミュージック・テイト西新宿店

2015/03/10(火)19:30 ミュージック・テイト西新宿店

「猫と金魚」
「万病円」
「目薬」(……)
(仲入り)
「死神」

 明日への階段。その一歩が昇れなかったらしい。いつも以上に悩んだというネタ選びの挙句のこの演目。

 高座でリクエスト一覧とネタ帳を睨んでいるうちに,考え過ぎてネジがとんだのか「万病円」に続いて「目薬」も演るという,常にない大出血サービスぶり。
 私が知ってる「目薬」とはかなり違って,いつかどこかで聞いた,公で演ってはいけないあのネタのように聞こえたけどね。

 「死神」の呪文,今回の選択は微妙だなと思ったのですが,消え際の死神の表情を考えると俄然面白くなった。

 今週土曜日の独演会「談吉百席」までには,とんだネジを締め直して癒されますように。いや,傷ついているかどうか知りませんけど。

負けてたまるか!? 宝井琴柑 vs 立川談吉@道楽亭 Ryu’s Bar

2015/03/07(土)18:00 道楽亭 Ryu’s Bar

「仙台の鬼夫婦~井伊直人」宝井琴柑
「千早ふる」立川談吉
(仲入り)
「孝行糖」立川談吉
「パンを食った次郎長」宝井琴柑

 私にとっては三回目の琴柑さん。講談そのものの経験値が低いので良いも悪いも判りませんが,一席目では講談の気持ちよさを実感。

 談吉さんの「千早ふる」は面白さギリギリ。

 「孝行糖」は特に後半でミスって言うほどでもない引っかかりが続きチョット気になる。
 三回しか聞いたことの無い琴柑さんなのに「次郎長」は二回目。同じ話であることは全くかまわないのだけれど,講談を聞く機会が少ない私としては,折角ならばと,いかにも講談らしい講談を期待していたのでやや肩すかし。

 客席は比較的高齢の男性率が高かったが,打ち上げでは更に凝縮。
 この席で琴柑さんに講談らしい講談が聞きたかった旨を申し上げたところ,「それなら修羅場読みを聞きに来てください」とのお誘い。検討します。

※原因不明(呪いの可能性高し)の胃炎以来,久々の普通食が道楽亭さんのお料理でした。いつも美味しい。