2015/01/19(月)19:00 国立演芸場
「狸賽」桂宮治
「夢金」桂宮治
「漫才」ロケット団
(仲入り)
「二番煎じ」桂宮治
シリーズ完結。
前回までは開演前に緞帳脇上手側から浴衣姿で現れて前説的な事をしていたのだが,この日は無し。あればあれば,その目の前と言う絶好の席だったのに。
白い座布団に座り深々とお辞儀。長い漫談で年明けから続いた悪い出来ごとを次々と。シークレットゲストの予定だった柳家三三さんが直前にインフルエンザでダウンしたという話は本当らしい。
「狸賽」
本人曰く「次の話で頭がいっぱい」で単純な言い間違はあったものの,いつものだ。いつも面白いやつ。
「夢金」
この話に出てくる侍は,私が知っている範囲での宮治さんが持っているキャラクターと違うのでどうなるかと思っていたが,流石に掴みきれていない感じで聊か手こずったか。
でも,独自の工夫を入れ込む余裕が無い段階での落語は,宮治さんの素の力が露わになる。
笑いが取れない場面が続いてもダレない。その話自体が持っている面白を損なわない。強いねこの人。
「漫才」
柳家三三さんの代演でロケット団。この経緯については宮治さんが面白く(かつ慎重に)話したのだけれど,ニュアンスを損なわずに纏めるのは無理。三三さんが代演に師匠を推薦したという話の真偽は如何に。
正直なところ,落語や宮治さんに興味があるという条件付きのお客さんの間でも,これまでのゲストや三三さんに比べると知名度は低いのか,近くの席から「知ってる?」「知らない。」といった声も聞こえてきた。
私的にはテレビでは何度も見ている「山形では昔から日常会話で使っている」パターンは好きだったし,その他のパターンも見ることが出来て,それも面白かったので大満足。
三三さんがゲストだったらと考えると勿論それはそれで見たかったけれど,結果的にはロケット団って正解だったんじゃないか。
「二番煎じ」
この話を宮治さんがやったら面白いに決まっている。ネタ下ろしだからって不安要素無しと思っていたけれど,聞いてみたらやっぱり面白かった。
終了後,涙ながらにお客さんへのお礼を述べ,全員に千社札を配るからと,そのまま舞台を降りて客席の間を走ってロビーに向かった宮治さん。一人一人にお礼を言いながら千社札(シール)を渡す。当然長い行列で混雑したロビーですが皆嬉しそう。
帰宅後,「二番煎じ」を聞いて日本酒で一杯やりたいなと思ったものの妻からワインにしろと指導が入り(日本酒を飲むとたちが悪いらしい),宮治さんも美味い酒を飲んでいるだろうと思いつつ,会の成功を祝って勝手に打ち上げ。
シリーズ四回通して,宮治さんの「間に合わない」だの「不安」だの何だというツイートを目にしては,陰ながら応援しつつ通い続けたわけだけど,あのツイートも含めて,桂宮治に踊らされたんじゃないかとも思いながら,次のシリーズの前売り券も買ってしまった。