「万座 -画廊で落語- vol.3」@万画廊

2014/11/29(土)17:00 万画廊

「ぼくのあにさん」瀧川鯉八
「佐々木政談」柳亭小痴楽
「やぶのなか」瀧川鯉八

 仕事は午後の早い時刻に終了。

 高輪の桂宮治さんの会,両国の立川談吉さんと入船亭小辰さんの会も気になりつつ,銀座の瀧川鯉八さんと柳亭小痴楽さんの会へ向かう。小痴楽さん主体の会で三回目にして初のゲストが鯉八さん。

 今年四月銀座に開店した気になるお店があるので,ここも寄りたいなと。結構人気のお店なので行けば判るだろうと事前に詳細を確認せずに出かけ途中iPadで検索したところ,すでに閉店,というか,原宿に移転していた……

 有楽町駅で降りて駅前の三省堂書店に立ち寄る。獏さんの比較的最近出た本を発見。パラパラとめくったけれど購入済みかどうか判断できず購入を控える。私の記憶力ヤバイ。
 ロフトに移動し店内をブラブラしているうち開演時刻45分前。会場の場所は何となく判るけれど,念のためそろそろ向かおう。先日のミュージック・テイトでは開場前から鯉八ギャルズが大挙して押しかけていたしね。小痴楽さんも女性人気高そうだし。

 開演時刻30分前に会場に到着。「万画廊」。「マンガ(タ)ロウ」を連想したけれど「よろず」と読む。未だお客さんは誰もいない。鯉八さんは既に到着して,周辺を散策中。そのうちに小痴楽さんも到着。

 12/7まで瀬戸出身の作家さん「伊藤幹浩 うつわ展」開催中。髑髏,蜘蛛,妖怪等の絵付けの骨壷や普段使いの食器。優しげな作家さんご本人と奥様も在廊。

 スタッフさんが「う」のパーカーを着ていたので写真を撮らせていただく。プロレス団体とのコラボですと。

 開演時刻は近付いてもなかなかお客さんが来ない。そうか,ギャルズはここには来ないのか。それでも最終的には,ほぼ予定通りのお客様20数名が集まった。やっぱり女性の方が多いかな。落語・小痴楽・鯉八ファンも居なくは無いが,画廊のお客さんや近所の方なども多い感じ。

 広くはない画廊の中ほどに展示用の壁が設置され,使用できるのは半分ほどの細長いスペース。
 奥に設置した高座にあまり近づけずに丸椅子を並べた客席。もっと前に詰められるのにと感じるのはテイトに慣れ過ぎ。

 先ずは,鯉八さんが後方から客席の脇を通って登場。壁の棚に置いてある作品を落とさない様に身体を横にしてそろそろと。最前列下手に座った私の隣は落語が初めてという方。鯉八さんが客席に向かって頭を下げるのに,おじぎを返したおられたのが新鮮。

 鯉八さんが上がってから小痴楽さんがトイレに入ったらしい音が聞こえてきて,鯉八さんがいじる。小痴楽さん自由だな。長めのマクラから短めの「ぼくのあにさん」。受けていた。

 小痴楽さん登場。初小痴楽。いやー,喋るね。喋る。ちょと圧倒される。圧倒されたまま終わってしまった。
 本気か嘘か,この会を長く続けるためにネタを温存するとのことで,この日の小痴楽さんは一席のみ。残念。
 で,仲入り無しで鯉八さんがもう一席。

 「やぶのなか」も大受け。古典落語の縛りが無い方が伝わる客層だったのかな。

 事前のアナウンスは無かったけれど,終演後はワインと軽食で打ち上げ。
 ご本人にとっては聞かれ飽きた話題とは重々承知のうえで,小痴楽さんに二世落語家である事について聞いてみる。なるほどね。
 打ち上げは続いていたがお先に失礼する。

 ミキモトのツリーも見ずに帰って来てしまったけれど,今年が最後なんだってね。

第12回 こはるパラダイス@横浜にぎわい座・のげシャーレ

2014/11/27(木)19:00 横浜にぎわい座・のげシャーレ

「桃太郎」
「締め込み」
(仲入り)
「鼠穴」

 寄席で次の演者さんが遅れていると,高座に上がっている演者さんが間を繋ぐことになる。
 脱いだ羽織を楽屋口近くに投げておいて,次の演者さんが到着して用意が整うと,前座さんがその羽織を引っ張り込んで合図とするというのは,今年どこかで聞いた話。

 これをこはるさんは先日,広小路亭一門会で実際に経験したらしい。

 こはるさんの後に上がるはずだった師匠が予定を勘違いして来ないことが発覚。その次の師匠は未だ到着していない。 
 こはるさんは出番直前まで祈るような気持ちで入口の方を見ていたけれど,次の師匠の姿は見えない。
 覚悟を決めて高座に上がり長めの大きな話を始めたが,楽屋口に投げた羽織が気になって話は上っ面,上下も楽屋口の方に大きく振ってしまう。
 そのうちに,楽屋口に前座さんの手が見えて羽織がピクっと動いたがそれっきり。また暫くして,ようやくズルズルと楽屋に引きずり込まれたので,オチも無くバタバタと話を畳んで高座を降りたそうだ。

 ところが,どうやら件の師匠はこはるさんが上がる前には到着していて,モニターで一部始終を見物していて,まぁこの辺で勘弁してやるかと登場したらしい。

 そんな落語立川流の一門会。よみうりホールの会は一杯になるのに広小路亭では5,6人しか入らない。ほぼ同じメンバーなのに……志の輔,談春は出ないけど。とも。

 後は,本場信州産の林檎と深夜ラジオの話。そうか,こはるさんはジャンク派か。(エレ片は含まないんだね。そーだろうね。)

 演目は,どれもこはるさんでは初めて聞く話。

 10月のブティストホールでの「居残り佐平次」では大事なところで言い間違いがあったが,この日の「鼠穴」でもいきなり躓き,こちらとしてはその後もヒヤヒヤ・ハラハラを引きずってしまう。勿体ないなぁ。
 逆に序盤だったことが幸いして,ご本人的には直ぐに持ち直したのだとは思うけれど。

 お花が自ら吉原へという件での竹次郎の台詞は(私は)初めて聞くもの。ぐっとくる台詞だったけどちょっと浮いた感じ。練れて来れば良い場面になりそうです。

こはる十二支の会 特別編@お江戸両国亭

2014年11月24日(月・祝)18:00 お江戸両国亭

「饅頭怖い」立川笑笑(開口一番)
「弥次郎」立川笑二
「七段目」桂宮治
(仲入り)
「トーク」桂宮治,立川笑二( + 立川笑笑)
「権助提灯」桂宮治
「大工調べ・序」立川笑二

 こはるさんの代演という位置付けの笑二さんがトリ。

 笑二さんは会場入り直後に席亭から「宮治さんが笑二さんのトリを希望している」と聞き,その後に宮治さんからは「席亭の指示」だと聞いたとのこと。
 「どちらかが嘘をついている。」と言いつつ,どちらかに決めつけていますね。
 更に,宮治さんは「笑二さんが自らトリを希望した」と。

 薮の中……

 宮治さんは連雀亭,笑二さんは古典廻しを終えてのこの会。だからというわけでもないでしょうが,お二人とも調子がいま一つか。

 宮治さんは言い間違い,笑二さんも滑舌があやしい。

 珍しくこちらも私的な問題で気分が落ち気味で,落語を聞いている場合じゃなかったといえばそうだったので,いつも以上に意地悪な見方になっていたのかもしれません。

 逆に,開口一番の笑笑さんの「電話器引きちぎり」というフレーズに意味が判らないままはまってしまった。
 話に入っても,微妙なくすぐりを自信たっぷりに嬉しそうに挟んでくる。笑笑さんてこんな感じだったっけ?

 「引きちぎり」は宮治さんも気になったようで,トークの際に舞台に呼び出し「あれは何なの?」と質問,というか詰問。
 ここでも笑笑さんは嬉しそうに自信たっぷりに,フレーズの誕生秘話を語るのだけれど全くピンと来ない。来ないままに,ジワジワと可笑しかったな。

第20回『宮治展』@西荻窪・カフェギャラリーK

2014/11/22(土)15:00 西荻窪・カフェギャラリーK

「道灌」桂宮治
「欠伸指南」桂伸治
「トーク」「抽選会」
(仲入り)
「藪入り」桂宮治

 長めのマクラで一旦下がり,改めて登場しての「道灌」。
 これは,日本コロムビアさんから発売されるCD用の録音対応。
 「親子できこう 子ども落語集」のシリーズだと思うのですが,相応しくなさそうなくすぐりもあったけれど大丈夫かな?
 事前に「絶対に話の途中で携帯電話を鳴らすな!」と繰り返していた宮治さんだが,おきる所で奇跡はおきるものだ。詳細は後日,ご本人があちこちで話すでしょう。

 宮治さんの師匠である桂伸治さんの高座は,宮治さんについて触れた後,先代文治への愛に溢れた逸話の数々。この一門,師匠好きだなぁ。
 演目は「欠伸指南」。味っていうんですかね。経験と技に裏打ちされたさっぱり味。弟子の会でならばという絶妙な味付け。

 続いて,主宰の仕切りによるお二人のBLトーク。抽選会ではお二人の手拭いやサイン色紙,何故か上野鈴本のクリアファイルや春風亭昇々さんの手拭いなど?な景品も並んでいたが,残念,私は当たらなかった。

 仲入り

 「藪入り」は以前に別の方の音源を聞いたことがありますが苦手な話。
 母親が息子の財布の中を見る。そして,あらぬ疑いをかけられて腹を立てたにせよ,息子が親に向かって貧乏人呼ばわり。
 この二点が嫌で後味の悪い話だと思っていたので,トリネタでこの話に入った時には,正直がっかりしました。

 父親が三年ぶりに帰ってくる息子の為にあれこれと計画を立てる件や,いざ帰ってきた息子の顔も見られずに下を向いたまま長々と話をする件では,宮治さん完全に父親の顔。ズルイ。嫌いな話なのにグッとくる。

 まぁ,それだけでも聞いたかいがあったと自分を納得させようとしたけれど,いざ,母親が息子の財布を開ける件にかかると,キチンと理由付けをしてくれて優しい母親の気遣い溢れる良い挿話になってる。
 後で宮治さんに聞いたところでは,某師匠の形を参考にしたとのこと。そうか,こんな処理の仕方があったんだねぇ。「自分の手柄じゃないですよ。」と言ってましたが,あの形を選んだ宮治さんの感覚が良し。

 息子の暴言については勢いで言わせて,すかさず母親の小狡い台詞と父親のあたふた感で笑いを取って後味の悪さを希釈するという力技が効果を発揮しましたが,更に今一つどうにかなるといいなぁ。

 とはいえ,がっかりから入ったこの話。結局,うるっと聞き入ってしまった。

 歳のせいもあるけれど,「妾馬」といいこの話といい,宮治さんの人情話に弱いな。
柳家三三さんの人情話で泣くならまだしも,宮治さんの話で泣くとヤラレタ感が半端じゃない。

瀧川鯉八DVD発売記念・帝都大戦@ミュージック・テイト西新宿店

2014/11/15(土)19:00 ミュージック・テイト西新宿店

「賢者タレ」
「ぼくのあにさん」
DVD先行販売 & サイン会
若林さん(DVD監督)とのトーク & 撮影会

 補助席が出る盛況なれど男性はつばなれせず。
 下手側最前列に座ったものの,びっしりと周囲を女性に囲まれてしまった。

 これまでにも何度か鯉八さんの会に伺ったことがあり,いつも女性率が高いのだけれど,この日は特に際立っていたような気がするな。これはあれか,日に日に女性の支持が高まっているのか。

 「全員女性のほうがよかった。」と,希少な男性客に暴言を吐いていたが,ここまでくればいっそのこと,とも思う。

 この日の木戸銭は先行発売となるDVD販売を見込んでか千円とお安い設定。

 ご本人は20日発売のDVD「新世紀落語大全」のAmazonでの紹介文「新作落語会の新次元!若き天才・瀧川鯉八の世界」にお冠。

 曰く
 「新作落語会の」ってなんだよ。「落語『界』」じゃないのかよ。狭いな。
 「若き天才」とかの制限はいらない。ただ「天才」でいい。
 
 最初の二席に続き,仲入りなしでサイン会からトークへ突入。
 数量限定のアウトテイクDVDが付くとあって,ほぼ全員が購入していたのではなかろうか。勿論,私も購入し,目立たないようにジャケット裏にサインを入れてもらう。

 もう一席を期待していたが,そのまま終了。千円だしね。

 帰宅後,早速アウトテイクを見る。
 本編に収録されるはずだった今年二月の雪のシェア落。私もその場にいたのだけれど,何やら雪の影響?で映像が乱れたとかで肝心の高座は収録されなかったが,楽屋で苦悩する鯉八さんの姿や,シェアタイムのトークなどが結構たっぷり収録されていた。

第19回 立川談吉 大事な会@ミュージック・テイト西新宿店

2014/11/10(月)19:30 ミュージック・テイト西新宿店

「たらちね」
「道具や」
(仲入り)
「二十四孝」

 会場入り前に浪曲が聞きたくなって,iPhoneのYouTubeで東武蔵さん聞いていたという談吉さん。

 通算19回目の会となるこの日は,「鰍沢」も考えていたけれど,結局は軽い話を演ることにしたとのこと。次回に20回目が控えているからというわけでもないでしょうが,良いんじゃないですかね,それはそれで。

 「たらちね」の「豆腐がおでん」の件とか大好きだ。話の筋に関係のない「鍋」とか「フグ」とか,何だろう好き過ぎだな私。
 「道具や」も面白かった。

 ネタおろしなのか「二十四孝」も面白かったけれど,さすがにこちらは次の機会,その次の機会に更に期待します。

 さて,この会は,アンケートでリクエストを募って次回のネタを選ぶスタイル。
 私的には何を演っていただくのも楽しみなのでリクエストといわれても困るのだけれど,せっかくなので店内のDVDを見渡して目に付いた大好きな演目を一つ書いてきた。けど,あれ,とんでもない季節外れな話だったなぁ。

 談吉さん,今月はこの後も高座が多いように思うのだけれど,私の方が都合がつかないことが多くて残念。

六本木 伊~菜亭 第八回 桂宮治@気楽なイタリアン 伊菜

2014/11/08(土)18:00 気楽なイタリアン 伊菜

「春風亭昇太物語?(仮)」
「棒鱈」
(仲入り)
「七段目」

 「渋谷らくご」の初日初回が16:00にはね,そのまま六本木へ。早過ぎたけれど,どこかへ寄るほどの時間もなし。
 とりあえず会場の場所を確認しようと歩いていたら,小諸そばで蕎麦をたぐる宮治さん発見。落語家さんの蕎麦の食べ方を観察しようかとも思ったけれど邪魔しては可哀想なので見ぬ振りで通過。

 少しブラついてから会場へ。並んで待つ人はいなかったが,30席ほどが最終的にはほぼ満席。

 木遣りで始まるイタリアンレストランの落語会。

 さて宮治さん。風邪をひいているとのことで声が痛々しい。
 やる気が無い,漫談しかやらない,などと言いながらもガッツリ笑いは取る。

 国立で聞いた「静岡の奇跡」がブラッシュアップされ,マリンピアや娘さんのお馴染みの話も併せて一席分に換算。充分です。

 高値安定の「棒鱈」。酔った振りでフラフラ・目がトロンとしているのか,マジ風邪なのか心配になるが,それでも笑いが絶えることは無い。
 サゲでは,二階に上がって来た板前さんに一つ仕草を仕込んで大ウケ。流石です。
 最後は客席に向かってクシャミしそうな素振りで最前列真正面のお客さんを怯ませておいてギリギリで顔を背ける。かと思ったら,結局お馴染みのお客さんが犠牲になった。

 仲入りでは丸見えの控室?で襦袢姿で放心状態の宮治さん。声をかけたが生体反応が薄い。

 とはいえ「七段目」に入ればまたまた爆笑の嵐。定吉のお軽役への入り方が前に見たときより良い感じ。私はこのくらいが好きだな。
 それと,毎度のことながら鞘と鍔を結んでおいた下緒を解く仕草がツボ。面白いなぁ。

 最後も木遣で締め。

 打ち上げでも各テーブルを盛り上げ,近くの駐車場で纏を振る宮治さん。
 どこかのタイミングできちんと休養をとってメンテナンスして欲しいものですが。

渋谷らくご@ユーロライブ

2014/11/08(土)14:00 ユーロライブ

「野ざらし」立川談吉
「初天神」三遊亭遊雀
「面会」昔昔亭A太郎
「粗忽の釘」柳家三三

 早めに到着した12:30,二人連れの後ろに私,ほぼ同時に三人が並ぶ。受付で準備をしているスタッフが見えるが初日の初回で色々とあるようでバタバタと駆け回っている。当日早朝に録音した「東京ポッド許可局」のサンキュータツオさんの声を聞いていると本人が目の前を横切る。変な感じ。
 予定時刻を過ぎてもチケット発売開始されず。このタイミングで演者さんが一人(誰とは言わないけれど)駆け込んでくる。

 ようやくチケット発売開始。この時点で並んでいたのは20人弱かな。

 チケットの半券に整理番号があり,「整理番号順の入場」と説明される。開場まで時間もないので私はそのままロビーで待機。この時にご高齢の割に派手目の男性が入ってきたと思ったら三遊亭遊雀さんだった。
 先頭に並んでいた二人連れは一旦外に出て行った。
 いざ開場となると,番号は無関係で「自由席です。」という説明のみ。丁度戻ってきた二人連れが私を突き飛ばす勢いで入口に向かう。そりゃそうなるよね。人数が少なかったのでよかったが,クレームになりかねない。
 なんとか,最前列センター席上手側を確保。

 前説としてキュレーター〔ママ〕のサンキュータツオさんとGM射場さんが会の趣旨を説明。
 客席に子供がいるのを見つけたタツオさんが「初天神を演る(人がいる)かな」。

 開始。メクリは無く,背景の黒幕にプロジェクターで「立川談吉」の文字が映し出される。
 タツオさんから「会の方向性を決める」大役を任された談吉さんは「緊張」を連発。「遊雀師匠がやりやすい状態で繋げることだけを考えている。」と。
 あまり纏らないマクラ(いつもか)から「野ざらし」に入り30分近くの熱演。非常に良い出来だったと思います。「バウ」が好きです。

 続いて登場の三遊亭遊雀さん。「会の初めから骸骨の話をしやがって。」と談吉さんをチクリ。
 ご自身の姪ごさんの話をしつつ,客席の子供をいじり,「トリの三三さんが長くやればいい」と「小児は白き糸のごとし」と始めたものだから大受け。そのまま,本当に「初天神」を演ったよ。またこの子供の描写が憎たらしいこと。その挙句に,20分ちょっとで降りて行った。
 会のコンセプトは一旦さておき,「遊雀凄げ~!」と思った次第。

 そういえば,この会(か,この回)は仲入り無し。

 予想以上に早い出番に,次の昔昔亭A太郎さんが慌てたらしい。

 ここでお詫びです。この会の情報を入手したのが三日ほど前。既に仕事の予定が入っていたこの土曜日,上司に掛け合い14:00の回に合わせて後ろを削ったのですが,そのままでは申し訳ないので前に少し伸ばしたわけです。ということで,この日は朝が早かった。そして,前日も遅くまで仕事で睡眠時間が短かくて,つまり,眠気が襲ってきたわけです。A太郎さんごめんなさい。よく覚えていないんです。「入院」と「母親」と「運転手」の話だったことはわかりました。きっと,面白かったんだと思います。

 柳家三三さん登場。一瞬覚醒したけれど,また睡魔が。どんな流れで「粗忽の釘」に入ったのかが不明ですが,その辺りから持ち直して,至近距離で三三さんの落語を堪能。「杉ドン」とか,そんなのも入れてくれるんだね。
 遊雀さんが三三さんへ残してくれた時間までキッチリと使い切った見事な高座。

 総じて,場所(ホテル街云々ではなく),会場も良い感じだし,サンキュータツオさんが関わり続けてくれれば,目先の新しさだけではない長期的な刺激を期待して良いと思う。今月はこの回しか行けないが,来月以降にも期待して回数券を買いました。

ちなみに席数200(と何処かで見た)の会場で,この回の客数は53人だとか。三日前の情報公開を考えれば悪くはないのかな。

第一回 古典と新作のらくご会@ミュージック・テイト西新宿店

2014/11/05(水)19:30 ミュージック・テイト西新宿店

「仏四噺」立川談吉
「江島屋怪談」桂夏丸
(仲入り)
「橘ノ圓物語」桂夏丸
「天災」立川談吉

 談吉さんは自作の「仏四噺」から。私が聞くのは二回目か。
 「三つか四つ」からもう面白い。カナリアでも笑っちゃう。こんなのが好きな人にはたまらないと思う。で,私は好きな人なのでもうたまらない。

 夏丸さんは 圓朝作「江島屋怪談」。何処だったか誰だったか忘れたが,以前に一度聞いた事のある話。ぐっと空気が変わる。
 途中で照明を落としたりもしていたのだけれど,あの会場ではあまり効果的では無かったというか,逆効果だったような気もする。話の力で充分に引きこまれた。とても面白く聞きました。

 仲入り明け,夏丸さんは自作の「橘ノ圓物語」。
 マクラで橘ノ圓さんについて随分と長く話すなぁと思っていたら,それが演目だった。私が橘ノ圓という方についての知識を全くと言っていいほど持ち合わせていないので,ピンとこないまま終わってしまった。日頃私が偏った狭い範囲で聞いているツケかなぁ。

 最後は談吉さんの「天災」。
 ナマル先生に諭された八五郎の誤変換振りがツボ。

 総じて面白い会だったのに,お客さんが少なかった。具体的に書くのも忍びないほどに……。勿体ない。
 まぁ,談吉さんがおっしゃっていたように,その場にいた客にとっては贅沢だともいえるかな。