材木座らくご会プチ・その17「らくご食堂3」桂宮治@鎌倉・コバカバ

2014/10/18(土)18:00 鎌倉・コバカバ
「道灌」
(中入り)
「居残り佐平次」

 新宿での仕事を昼過ぎ早々に切り上げて鎌倉へ。早く着きすぎたので,とりあえず会場の食堂コバカバの場所を確認。若宮大路沿いの店で,普通に営業中。失礼ながらそれほど広いスペースではない。

 小町通りをぶらつくが,アベック,もといカップルばっかりでおじさん一人での散策には似つかわしくない。
 突然海が見たくなり,若宮大路を下って辿り着いたのは材木座海岸ではなく,由比ガ浜ということになるのかな。思ったより遠かった。
 ここもカップルばかりで寂しくなったので,森田童子を聞くという逆療法を試み更に悲しくなって会場に向かう。

 開場15分前に到着すると既に4人が並んでいる。カップルが二組。なに?鎌倉はカップルじゃないと来ちゃいけないのか……。
 窓越しに会場設営の様子を眺めつつ待つ。そのうちにカーテンが閉められ,更にカップルが一組み並んだところで開場。

 外から見た通り期待を裏切らない狭さ。道○亭やテ○トよりも狭いか。最大30人と聞いていたが,この日の25人ほどで一杯じゃないかなぁ。他の宮治さんの会でお会いする顔は見当たらず,地元の方が中心のようです。

 開演時刻が迫りお囃子が流れ,主宰と店長の挨拶。
 その後,出囃子無しで宮治さん登場。道路側の窓が一部開いているようで,お寺の鐘の音が陰にこもってゴ~ンと聞こえるのはまだしも,バイクのエンジン音が気になるなぁと思っていたら,やっぱりいつの間にか閉められていた。

 生落語は初めての方が複数,10回未満も何人か。そのうえ小学生らしきお子様も4人いたためか,上下や扇子と手ぬぐいを使っての基本所作などの話から入るが,直ぐに客をイジリはじめ爆笑連発。子供にもうけている。

 「道灌」は大好きな話。目の前に腕時計を置き時間を気にしながらも結構タップリ。
 八五郎が自分で言った冗談に自分で反応する件が,以前に聞いた時よりもスッキリと仕上がって良い感じ。

 終わって下がる際に,羽織を探すも急ごしらえの高座の後ろに落ち込んで取れず。「取っておいて」と言い置いて去る。お客さんが二人がかりで回収。

 仲入り開けてデイビー・クロケットで再登場で「居残り佐平次」
 「もう一枚羽織を用意していたけれど,汚したくないから」と着流しで。
 私としてはここで演るだろうとの期待通りですが,この日のお客様の前で「居残り佐平次」を演るについては,何やら言い訳めいた前置きがあったり,お子様がいる席で廓話をかけるにあたっての葛藤もあるらしく,何やらゴニョゴニョ言いつつ,これだけはと「おこわ」についての説明を念入りにふって話に入る。
 偉そうに言うわけではないけれど,落語を聞き慣れていない方やお子様にとっては,もっといろいろと判らない背景や用語もあるだろうが,さすがにそこまでは手が回らないというか気が回らないというか。

 ご本人はSNS等で不安に震えている(態の)ネタではありますが,こちらとしては全く安心しきっているわけで,結果的にもやっぱりねという出来。
 皆さんも充分楽しんでいた様子。