負けてたまるか!? 一龍斎貞弥 vs 桂宮治@道楽亭

2014/06/17(火)19:00 道楽亭
「お坊主稲川夫婦相撲」一龍斎貞弥
「お菊の皿」桂宮治
(仲入り)
「ちりとてちん」桂宮治
「姉川合戦・木村又造鎧の着逃げ」一龍斎貞弥

 心身ともに低調な日々。カンフル剤代わりに道楽亭へ。
 お客さんは20人弱?

 講談は,それ自体を目当てに出かけることはないけれど,お気に入りの落語家さんとの組み合わせで何度か聞いたことがある。貞弥さんも以前立川こはるさんとの二人会で聞いた。
 稲川はいい話といえばいい話だけど,木村又造はなんだろう,「鎧の着逃げ」と題した時点で「忠」や「考」ではなく面白ろなのかな。聞き慣れていないからかちょっと戸惑う。でも,声と調子が心地良い。
 段ボール製の釈台ってあるんだね。

 宮治さんは段ボール製釈台や一龍斎貞水さんなどの講談絡みの話から,人間国宝の話に触れつつ,怪談繋がりで「お菊の皿」。そして「ちりとてちん」。

 打ち上げにも10数人が参加。
 最近,テレビでの露出も増えた宮治さん。当然のように「噺家が闇夜にコソコソ」の話題も出ましたが,この番組をご存じないお客さんもおられました。
 当日朝に録画を見た私が,その直後にYoutubeのWeb限定スペシャル動画・第十二席を視聴した段階で再生回数が68回。 意外に少なかった。どれくらいの人があの番組を見ているのかな。

 さて,充分に笑わせてもらった。カンフルが効いたかどうか判らないが,とりあえず一日づつ乗り越えていく。というかやり過ごす。

れふかだ落語会~鯉八・宮治二人会~@レフカダ

2014/06/11(水)19:00 レフカダ

「春眠」瀧川鯉八
「鰻の幇間」桂宮治
(仲入り)
「つる」桂宮治
「男と女」瀧川鯉八

 ここでのこの二人の組み合わせ,私は二回目。この日は雨のためか,やや空席が目立つ。

 鯉八さん,高座に上がるやお詫び。曰く「宮治さんが闇夜にコソコソの収録があり,本日は打ち上げ無し。」とのこと。
 「逆に,自分だけ用事があって,宮治さんは残れるという状況なら打ち上げがあったのではないか。」「ビデオカメラが入っているけど,自分の高座の時には赤いランプが点いていない。」「希望の光の無い闇夜にコソコソしているのは僕の方ですけどね。」と自虐ネタが続き,「春眠」へ。
 おそらくこの話は二回目だけれど,聞いた後で内容が殆ど思い出せない。どんな内容だっけ?面白かった事だけは覚えている。チェシャな笑い。不思議。

 この日から始まった池袋演芸場の「真打昇進披露興行」の準備から駆け付けた宮治さん。疲れているし次のコソコソの収録で頭が一杯でやる気が出ないと言いつつ,「嘘ですよ。こっちが本業ですからね。」と付け足し。
 どちらが本音かは神のみぞ知る。おそらく本人も判かっていないと思う。今はどちらが本音でもかまわないが,言葉だけでも「こっちが本業」と言えるのであれば,この会をしくじっても私としては構わない。何年か後の落語家・桂宮治で取り返せる。
 とはいえ,そう簡単にはしくじってくれない宮治さん。ビデオカメラの赤ランプも点いたらしく(未確認),AKB総選挙の話から徐々に温度を上げて,「鰻の幇間」で爆笑をとる。

 仲入り明けて,再度登場した宮治さん。「つる」でそんなに汗をかけるかというくらいの熱演。こっちの体調が悪ければ,胃もたれしかねないほど濃厚な笑いを残して「では,さようなら」と袖へ。

 トリは鯉八さんで「男と女」。先日のエチゼンヤでオマケとして聞いた話で「春眠」とは違って結構内容を覚えている。
 脱力系の笑いをたっぷりと堪能。

 この二人の組み合わせは至福です。

談吉100% Vol.14(最終回)@ミュージック・テイト西新宿店

2014/06/10(火)19:30 ミュージック・テイト西新宿店

「孝行糖」
「師匠殺しのサイゾー」
(仲入り)
「唐茄子屋政談」

 声が不安だと本人談。聞いている分にはそんな風には感じないが。

 「孝行糖」いつもの。いつも面白い。

 「師匠殺しのサイゾー」聞くのは三回目かな?大仏で台無しの件が好き。

 「唐茄子屋政談」一年ぶりとおっしゃっていたのはこの話か。
 池袋で聞いた記憶を辿るうち,後半,ある登場人物への期待でニヤつく私。そして,やっぱり出ました糊屋のばばぁ。もはや人情噺の範疇には収まらない談吉噺。

 声の方は大丈夫だったと思うのですが,来週末には帯広凱旋公演が控えている。体調を崩されませんように。

 なお,「談吉100%」は今回のVol.14をもって二年半の歴史に幕を下ろし,七月からは原則毎月10日に新しいネタおろしの会を立ち上げるとか。題して「大事な会」。

 大事な会になりそうな予感。

談志DNAをつなぐ落語会(北鎌倉お坊さん☆アカデミー)@円覚寺・佛日庵

2014/06/08(日)13:30 円覚寺・佛日庵

 久々の鎌倉。前日の独演会で楽しませていただいた立川談吉さんの現在の師匠である立川左談次さんがお出になるということで,珍しく仕事を入れてなかった日曜日に,独りで出かけてみる。

「葬儀屋」立川志の八
「お見立て」立川らく次
(仲入り)
「トーク」松岡慎太郎・植竹公和
「阿武松」立川左談次

 志の八さんは初めて聞く。声質が師匠の志の輔さんによく似ている。話も面白かった。お寺で葬儀屋の話。ふさわしいような,しくないような。

 らく次さんは久しぶり。良い意味で以前と変わらない印象で,しっかりとした話。

 左談次さんは二度目。随分前,家元ご存命のころに,九代目・林家正蔵さんの著書をネタにした「読書日記」を聞いたことがあったが,落語を聞くのは初めて。格好のいい師匠でした。

 さて,この日の目玉企画であるトークの方は,家元の実子・松岡慎太郎さんをお招きして,席亭というかプロデューザーというのか,歌う放送作家・植竹公和さんとの対談形式。
 植竹さんご自身が家元のファンなのでしょう,ラジカントロプス2.0で聞きなじみのある声で,親族ならではの視点の話を慎太郎さんからうまく引き出してくれる。お客さんも興味深げに聞きいる。
 企画の意図とお客さんがしっくりとかみ合った良い会でした。

※演者の後方にある祭壇の下手側に,何人かの一般の方の写真が置いてある中に,何処かで見たようなお顔。藤巻幸夫さんに似ている。気になって住職にお尋ねしたところ,やはり藤巻さんでした。

AKB48 37thシングル 選抜総選挙

2014/06/07(土)

 CDもDVDも買ったことはないし,投票もしていない。日ごろテレビでもチェックしているわけではないので大半のメンバーは知らない。柏木由紀さんがNMBを兼任してたこともこの日初めて知った。
 それでも,東京ポッド許可局「前田敦子論」の影響で,ここ三年くらいスピーチ目当てで総選挙を見ている。この日は夕方から用事があったので,帰宅後に録画で。

 上位になるにつれて知った名前も出てくるが,以前はもっと上にいたはずの名前が,思いのほか早いタイミングで呼ばれると,当人の表情を見ていてもいささか辛い。

 印象深かったのは,17位・松村香織さん。初めて聞く名前ですが「SKE48終身名誉研究生」という肩書にふさわしい,抜群のキャラクターとスピーチだった。

14位・生駒里奈さんは,「AKB48(グループ)の公式ライバル」という乃木坂46の設定がきちんと機能していれば,乃木坂ファン全体の支持を受けてもう少し上位に来るかと思いましたが,ここでしたか。

 更に上位では驚異の17歳,4位・松井珠理奈さんの勢いと,それを抑えた3位・柏木由紀さんの強さが光る。

 結局第1位は,途中経過ではダントツだった指原莉乃さんをかわした渡辺麻友さんが奪取。

 それはさておき,私的なこの日のピークは9位・高橋みなみさんの安定のスピーチの後に続いた,8位小嶋陽菜さん,7位・島崎遥香さん両名のスピーチ。流石ですこの二人。

第六回 談吉百席@サンライズホール

2014/06/07(土)19:00 サンライズホール(雨)

「かぼちゃ屋」
「仏四噺」
(仲入り)
「大工調べ」通し

 もれなく面白かった。

「かぼちゃ屋」
 こんなのやったら面白いねぇ,談吉さんは。

「仏四噺」
 先日の私が行けなかった会でおろした新作。ここで聞けて良かった。インコの件とか秀逸。
 もう,毎回一席は新作にしてくれないかな。

「大工調べ」
 先週のこはるさん,火曜日の笑二さんに続いて大工調べだ。なんだなんだ,初夏の話だっけ?
 こはるさんのエッジの利いた啖呵とは違うけど,聞かせます。絶妙の間で次の展開へ繋ぎ,中手を挟ませないあたりも好きだ。

 「大工調べ」という古典落語は「強突く張りの大家を相手に棟梁が小気味のいい啖呵を切る話」だという前提で聞いているけど,普通に考えれば大家が怒るのももっともなんだよね。与太郎も棟梁も随分と失礼なことを言ってる。
 だから,場合によっては,棟梁が逆切れしているとしか思えないこともあるのですが,談吉さんの大家は言い分は正しいのに憎々しい感じで,気持ちが棟梁側に寄って啖呵のカタルシスが感じられた。

 通しでサゲまで聞いたのは初めてかもしれない。
 この話のサゲも,前回の「たらちね」と同様に,最近は使われない言い回しなので正直ピンとこないのですが,事前に一回ふってくれた上で,そのまま演ってくれたのもうれしい。

 イヤー思い出すだけでも楽しい。個人的には,これまで六回の談吉百席でもベストかも。

立川笑二 二つ目昇進記念独演会@北沢タウンホール

2014/06/03(火)19:00 北沢タウンホール

「真田小僧」
「大工調べ(序)」
(仲入り)
「弥次郎」
「子別れ(昭和編)」立川談笑

 「てぃんさぐぬ花」で登場した笑二さん。満面の笑み。嬉しそう。これを迎える客席の拍手があたたかい。

 この日の笑二さんの演目は,笑二歴が浅い私にとっては初の話ばかり。
 これまでは,比較的小さな会場で近距離で聞くことが多かったので,北沢タウンホールのF列という,予想以上に高座から距離のある席で,会場の他のお客さんの様子も視界に入ってくる状況は新鮮。ちょっと醒めた感じで見る。

「真田小僧」
 面白い。金坊の話の入り方とか,やっぱり笑二さん凄い。
 「パパァ」の所だけが(カタカナ言葉だからということではなく)何故入れてきたのか判らない違和感があるけれど。

 一旦下がって,「ハイサイおじさん」で登場。

「大工調べ」
 不思議な言い立て。
 聞きながら先日のこはるさんの大工調べを思い出していた。出来の良しあしとは別に,こはるさんの言い立てって格好がいいんだよ。
 笑二さんは美声とは言えず滑舌もいいわけではない。噛んだり言い間違ったりしているのではないのに,言葉の意味も,音としての一つ一つの言葉も入ってこない。言葉の塊をどんと放り出された感じ。
 けれど,悪くないなぁと感じるのは,やっぱり不思議としか言いようがない。結局,面白いんだけどね。

 中入り後,再度「てぃんさぐぬ花」で登場。

「弥次郎」
 笑二さんならではの弥次郎。抜群に面白い。

 トリは師匠の立川談笑「子別れ(昭和篇)」。

 談笑さんが高座終わりで,笑二さんを舞台に呼ぶ。
 「披露目の席なんだから,ドンドン広めて」という談笑さんのはからいで,撮影OKとなる。皆が一斉に携帯電話のスイッチをオンにし撮影開始。カメラを持ってくるんだったと思いつつ,とりあえず私もiPhoneで撮影。

 終演後のロビーで暫く時間を潰していたのですが,あきらかに南の島からいらしたと思しきお顔立ちの方がちらほら見受けられ,ウチナーグチらしき言葉が聞こえてくる。
 緩やかに南の風が吹きわたる心地のいい会でした。