新にっかん飛切落語会 第351夜@イイノホール

2014/05/29(木)18:30 イイノホール

2013年度表彰式
「金明竹」柳家三三
「七段目」柳亭市馬
「お見立て」桂宮治
(仲入り)
「長短」三遊亭萬橘
「円歌の道しるべ」三遊亭圓歌

 2013年度「にっかん飛切落語会」受賞者表彰式があるとのことで,宮治さんの晴れ姿を見に出かけてみたら,なんと2014年度も同じレギュラーメンバーで引き続き審査が行われるらしい。

 ステージ上手に審査員の面々が着座。下手に椅子が一つ置かれている。
 この日は都合で参加できなかった奨励賞の立川志の春さんはビデオでの挨拶。
 その後,司会に呼び込まれて宮治さんが登場。「戸越銀座!!」の声がかかるが,当人まぁ落ち着きのないこと。見ている方がハラハラする。
 でも,次第にペースを取り戻し,師匠の教えとかのいい話も挟みつつ無事終了。結局,椅子には座らずじまいだったかな。

 落語の方は,贅沢にも,いきなり三三さん,続いて市馬さん。もう,なんて言うか流石です。

 その後に登場の宮治さん。本人も「いじめか」と。
 たっぷり時間を取ったまくらで,前のお二人の由緒正しい歴史的建造物をスクラップ。アンド,自分の足場をビルド。そして「お見立て」を熱演。笑いの濃さでは負けていません。ナイスファイトです。

 仲入り明けで登場は,今日の表彰式で触れられないままだった萬橘さん。こちらも更に辛い。本人いわく「針のムシロ」。
 この日から2014年度の審査が始まるのであれば,表彰式と併せてレギュラーメンバー紹介くらいしてもいいだろうに。この会にくるお客さんは,皆この会のシステムに精通している人ばかりなのかな。審査とか表彰とかに興味が無く,三三,市馬,圓歌の名前で来たような人はいないのだろうか。
 私は一応この会は知っていたけれど,今年も同じレギュラーメンバーで審査が続くとか,この日まで知らなかったし,ある落語会の運営側の方は「にっかん飛切落語会」を知らなかった。
 閑話休題。
 しかし,萬橘さんも流石。攻めのまくらで結構な毒を吐く。
 「長短」のサゲは二段構え。萬橘さんのこのセンス好きだなぁ。

 一旦幕が下りる。上がると圓歌さんが高座に座っている。歩いたり高座への段差を上がったりが辛いらしい。
 ご自身が目の当たりにしてきた落語協会の会長の歴史を語る。「小さん」というから先代かと思ったら四代目の話だったり,お名前しか知らない名人達の姿が浮かび上がる。

 ロビーで販売していた木久蔵ラーメンに心惹かれつつも買わずに帰途。

第十回 こはるパラダイス@のげシャーレ

2014/05/28(水)19:00 のげシャーレ

「真田小僧」
「大工調べ」
(仲入り)
「青菜」

こはるさんの「大工調べ」を聞くのは二度目。他でもかけているのだろうけれど,まだ自家薬籠中とはならない感じ。どうしてだろう?

ネタおろしの「青菜」は季節先取りで今年初めて聞いた。とても好きな話。
途中ちょっと勇み足があったものの良い出来。
葱の件は始めて聞いたが,こはるさんの工夫なのかな?面白かった。

Right Right Right Right@博品館劇場・他

2014/05/25(日)18:00 博品館劇場

この日は国立演芸場の「立川流落語会」や,らくごカフェの「桂宮治 vs 立川吉笑」など心惹かれる公演があったけれど,一等最初に予約したエレキコミック第23回発表会「Right Right Right Right」に妻と出かける。「立川流落語会」は掛け持てないこともないけれど,経済面とかいろいろと……

13:00で新宿での仕事を切り上げ。
銀座博品館劇場の開演までは時間があるので,日本橋室町三井記念美術館で開催中の「特別展 超絶技巧!明治工芸の粋」に行く。朝方,体調がすぐれない様子だった妻も持ち直したようで合流。

凄い。まさに超絶技巧のオンパレード。薩摩焼なんて頭がおかしいとしか思えない。
「漆工」「金工」の部屋は人が多すぎて満足に見られなかったので,平日にもう一度行きたい。

続いては妻の希望で,日本橋大伝馬町みうらじろうギャラリーの展示「FACES and HEADS」。
人の顔って面白い。

日本橋から銀座を目指して歩く。途中エクセルシオールで軽食。本域で勉強してる人が二名ほど。
銀座一丁目目に入り,以前の勤め先をチラ見しつつ,銀座通りを八丁目まで歩く。松坂屋銀座店が消えている。建て替え後は松坂屋は入らず,地下には観世能楽堂が出来るらしい。今の渋谷区松涛にある観世能楽堂には未だ行ったことが無いので,一度くらいは行っておくかな。

さて,エレキコミック第23回発表会「Right Right Right Right」。
もはや恒例となった直前までチケットが売れないという悲痛なアピールも,いざ蓋を開けてみれば連日大入満員らしい。同時期に天王洲で小林賢太郎さんが「ノケモノノケモノ」という舞台をやっているが,ファン層はかぶらないらしく影響はないみたい。

いや,笑った。合間の映像もめちゃくちゃ面白い。妻も楽しんでくれてよかった。
お金を払って他人の悪ふざけを見たいと思わせるのはこの二人くらいなんじゃないか。ふざけのスペシャリスト。10月にも開催されるらしいので,また行きたい。

集まれ! 前座応援団今回は特別編「立川笑二 二ツ目昇進前夜祭」夜の部@道楽亭

2014/05/18(日)18:00 道楽亭

「手紙無筆」笑福亭竹三
「近日息子」快楽亭ブラ坊
(仲入り)
全員でトーク
「悋気の独楽」林家扇
「三方一両損」立川笑二

 笑二さんを中心に道楽亭で定期開催していた前座の会。笑二さん二つ目昇進に伴いブラ坊さんが引き継ぐ形になるようです。私は過去に二度(2013/03/10・2013/04/28)しか来たことがないのですが,笑二さんの卒業祝いと聞いて来てみました。
 他の会の前座としても二度ほど笑二さんを聞いたことがあり,いずれにしても聞いた回数は少ないのですが,毎回その面白さには脱帽。来る6月3日の「昇進記念独演会」@北沢タウンホールもチケット確保済み。(祝完売!)

 さて,今回は特別編なので,メンバーは竹三さんと扇さんが二つ目。ブラ坊さんは前座。笑二さんは二つ目昇進目前の前座。

 竹三さんは狙いではないだろうが,手紙の封を切る仕草で扇子を破ってしまう熱演ぶり。続く,ブラ坊さんも扇さんも達者。

 けれど,好みとしてはやはり笑二さん。お馴染みの三方一両損を大きく変えるわけでもなく演るのだが,何だろうあの面白さは。

 立川笑二23歳,恐ろしい子!

渋谷で鯉八@エチゼンヤ

2014/05/18(日)15:00 エチゼンヤ

「やかん」瀧川鯉毛
「暴れ牛奇譚」瀧川鯉八
(仲入り)
「饅頭こわい」瀧川鯉毛
「天才」瀧川鯉八
「男と女」瀧川鯉八(料金外のおまけとして)

 5月18日はコイハチの日というわけで,先週の新作カフェに続いての鯉八さん。前日の粋歌さんと二日連続での新作も私としては珍しい。(シェアらく縛りともいえるが。呪縛か。)

 予約するかどうか迷っているうちに完売になったこの会。幸運にもキャンセルが出たので即おさえた。

 駅から109の右に進まなければいけないところ,おりしもこの日行われていた鯉八さんの故郷鹿児島おはら祭の賑いにつられて左の道玄坂に入ってしまい迷子になりかけるも,iPhoneに導かれてなんとか「お酒とタバコのエチゼンヤ」に辿り着く。

 鯉八さんの懇願により定員は伏せますが満席(これは本当)。鯉八さんは予約希望を70人断った(と吹聴してくれ)とのこと。鯉八人気凄い!なにより女性率の高さには吃驚。私を含めたわずかな男性は身の置き所に困るほど。

 小さな声で話し始めた前座の鯉毛さん。私は初めて拝見しました。開口一番かと思いきや二人会のようです。元々は鯉毛さんがエチゼンヤさんと知り合いだとか。

 続いて高座に上がった鯉八さん,最前列の女性とのやりとりで彼女が鯉毛さん目当てであることが判明し「どこがいいの?」と尋ねるが女性はなかなか答えず。「好きな理由の一番目や二番目は生々しいから,四番目の理由を教えて」と更に重ねて聞くと,ようやく女性が答えた理由が「聞き上手」……

 さて鯉毛さん。新作もあるようなのですが,この日は古典を二席。聞き上手な前座さんの喋りの方はと言えば,件の女性ばかりでなく,他の女性客にも結構うけていた。あれ?女性率の高さは鯉毛さん効果なのか?

 それはさて置き,鯉八さんはこの日も面白い。前日の粋歌さんとは逆に,作者の独り善がりがそのまま私のツボにピッタリはまる感じ。でも,その裏で,巧妙にして緻密な計算があるような気もするけれど。

 二人で二席づつ四席。物足りないと思っていると,「料金には入れない分」ということで鯉八さんの「男と女」。
 おまけ的な言い方をするから短い話なのかと思いきや,純喫茶くさかべで繰り広げられる数々の男女のドラマをたっぷりと。初めて聞く話で面白かった。最後の台詞をかむあたりも「料金外」だからよし。

 終わって外に出ると17:00。新宿・道楽亭に向かう。

シェアする落語 第6回 三遊亭粋歌@古石場文化センター

2014/05/17(土)14:30 古石場文化センター

「コンビニ参観」
「影の人事課」
シェアタイム(主宰:四家さんとのトーク・撮影)
(仲入り)
「恋するヘビ女」

 朝一番の用事の後,会場へ向かう。良い天気。前回の鯉八さんの会は大雪の翌日で,途中でスニーカーをグチョグチョにして歩いている鯉八さんに会ったのだったなぁ。

 さて,会場着。受付で確認すると,先に来ている筈の妻が未着。道に迷ったらしくギリギリで到着。

 流石に前方の席は埋っていて後ろから三列目。程よい広さの会場なので見辛いということはない。

 この会をより楽しむための粋歌基礎知識として「コンビニ参観」と「影の人事課」は一度づつ聞いていた。「恋するヘビ女」は初めて。しかも,「恋するヘビ女」は粋歌さんの自作ではなく三遊亭白鳥作。
 何度聞いても面白いのが落語。しかも演者としての粋歌さんも聞けるという個人的には理想的なバランス。

 いや,面白かった。
 「ママ」や「セクハラ上司」「ヘビ女」のような判りやすいキャラクターは類型的だがくどくないギリギリの演技。その他の登場人物も実は細かく演じ分けていて,声のトーンだけで誰の台詞なのか判りやすい。

 私が新作をあまり聞かない理由としては,何人もの演者に磨かれて普遍性を獲得している古典とは異なり,作者のむき出しの独り善がりに付いて行けない事が多いからなのですが,粋歌さんの新作は彼女にとって身近な話題を活かしつつも,かなり冷静に構成しているようで話の世界観に浸っていられる。
 もしかすると,女性視線の話だからこそ,男性である私との埋められない隙間が適度な遊び(「ハンドルの遊び」とかの遊びね)となっているのかも。快適なツーリングを楽しめました。(例えが下手!)

 惜しむらくは,当然のように最前列に陣取るつもりだったので,iPhone以外にちゃんとしたカメラを持参せずシェアタイムの撮影は諦めて打ち上げで写真を撮らせていただこうと思っていたのに,話が盛り上がって忘れてしまったこと。
弥勒菩薩のような神々しい(実はヘビ女の)粋歌さんの画像は沢山シェアされると思いますが,私服の粋歌さんも可憐な乙女でした。

 「コンビニ参観」のサゲについては是非聞きたいことがあったのだけれど,これも忘れてしまったなぁ。また,何れ何処かで機会があれば聞いてみたい。

新作カフェ Vol.5 瀧川鯉八独演会@らくごカフェ

2014/05/11(日)13:30 らくごカフェ

「天才男」瀧川鯉八
「都のジロー」瀧川鯉八
「水屋の完全試合」春風亭百栄(ゲスト)
(仲入り)
「春眠」瀧川鯉八

 「コソコソからオファーが来ない,携帯電話が壊れているのか」とブツブツ。
 「独演会に来てくれるのだから100%ですよね?」と愛してくれアピール。

 私にとっては今年2/15の「シェアする落語」以来の鯉八さん。やっぱり面白かった。
 15:10ころには終了。独演会慣れしていないためか,最後に「どうやって締めたらいいんですかね?」と客に聞くというグズグズぶりもチャーミング。もう少し聞きたかった。

 来週の日曜日は5/18で「コイハチの日」。渋谷で鯉八さんの会があるのだけれど,いつの間にか完売になっていた。残念。