労音なんぶ寄席第34回 桂宮治 独演会@大田区民ホール アプリコ 小ホール

2013/03/27(水)19:00 大田区民ホール アプリコ 小ホール

「元犬」
「長短」
(仲入り)
「宿屋の仇討」

「元犬」
 昨年のNHKで栄冠を勝ち取った話。
 念入りに振っているが,地口落ちは難しい。
 この会では比較的年齢層の高い,落語に馴染んでいるお客様が多いように見受けられ,充分だとは思うけれど,そうではない客層にどこまで通じるのか興味のあるところ。

「長短」
 長さんにイライラしながらも優しい短七さん。
 煙草盆を外れた火玉が,袂ではなく短七さんの背後の畳で燻り始め,それに気づいて,帰ろうとする長さん。サゲの台詞も私にとってははじめてのパターン。酷い男だな長さん。

「宿屋の仇討ち」
 一夜明けた世話九郎の覚えて無さ過ぎなところは,誰の話を聞いても引っかかるところ。
 そのうち宮治さんがうまく改定してくれないかなぁと願っています。
 それはともかく,文句なしの爆笑。

 幕の無い舞台で,最後の挨拶をする宮治さんに,最前列真ん中あたりに座っていたご婦人がヨロヨロと歩み寄り,お捻りを渡していた。何かいいなぁ。

芸の饗宴シリーズ「披き・落語~醸と贅~」昼の部@東京芸術劇場プレイハウス

2013/03/18(月)14:00 東京芸術劇場プレイハウス

 能楽は武田宗和(観世流シテ方),藤田貴寛(笛),大倉源次郎(小鼓),亀井広忠(大鼓),小寺真佐人(太鼓),中村裕(地頭)と地謡四名による舞囃子「高砂八段の舞」。

 落語は春風亭昇々「生まれる!」,三遊亭遊雀「悋気の独楽」,笑福亭三喬「月に群雲」,柳家喬太郎「ハンバーグができるまで」,(仲入り),桃月庵白酒「松曳き」,春風亭昇太「花筏」。

 能を観たことがないわけではないが,落語の方に十倍以上の回数足を運んでいるわけで,能楽に関する総合的な知識となると甚だ心許ない。

 大体が能面から能に足先を差し入れたわけなので,能面・能装束を着けない「舞囃子」という形は,正直残念。能楽に造詣の深い方には見所もあるのでしょうが,落語を観に来られた能楽初心者にとって,あの形はどう映ったのか。

 私としては,落語の演目を一つ二つ減らしても,せめて短めの狂言と能を見せてほしかった。例えば,能の方は後半のみなどというのは邪道なのか。落語ではなく能を目当てのお客様には,かえって期待外れということになるのか。

 私好みのスター級真打が揃った落語の方は文句なしの面白さ。
開口一番の二ツ目昇々さんについてはネタが私好みではなかったものの,遊雀さんは池袋ネタや歌丸さんネタで爆笑をとり,三喬さんは見台と膝隠しで上方の雰囲気を作って,私にとっては初めて聞く話で笑わせてくれる。
更に喬太郎・白酒・昇太と続けば面白くないわけがない。白酒さんの「松曳き」では本当に腹筋がつった。

 落語の方は非常に満足したけれど,そのために,初めに演じられた能楽の印象が薄れてしまったなぁ。観る目がないだけと言われればそれまでだけど,なんだかもったいないなぁと感じた次第。

集まれ! 前座さん応援団 頑張りまっす!! 第二回@道楽亭

2013/03/10(日)18:00 道楽亭

「饅頭怖い」立川笑二
「かぼちゃや」瀧川鯉○
「検問(新作)」林家けい木
(仲入り)
「道灌(小町入り」瀧川鯉○
「親子酒」立川笑二
「鮑のし」林家けい木

 日頃は立川こはる,立川談吉,昨年末くらいから桂宮治を加えた二ツ目三人の落語を聴きに行くことが多い。

 その場で頻繁に聞こえてくるのは「立川笑二が面白い」という噂。会場ではおなじみの顔も多く,おそらく落語に関して私と近い感覚をお持ちの方々と思われる。その面々が「面白い」とおっしゃるのであれば,私にも「面白い」のではなかろうか?

 沖縄出身の立川流前座。それだけの情報をもって,この日の会に乗り込んだ。50人がつめかけた数日前の「こはるvs宮治」の会とは打って変って,用意された16席が埋まらない状況。

 しょっぱなから笑二さんが登場。面白い。妙な安定感と柔軟さがある。纏まった感じではなく,変化(進化)の予感を含んで,現時点でも面白い。
 22歳,談笑さんの弟子か。

 他の二人も夫々の味を出していたけれど,この日の感想は「立川笑二が面白い」。