東京国立博物館平成館で開催中の「国宝 阿修羅展」へ。
会期終了間近の土曜日という混雑予想100%のこの日しか時間がとれないのだからしょうがない。しかも,午後からは別件があり,それでも早めにと上野に着いたのは09:40頃。
この時点で人の流れが尋常ではない。とはいえ,やはり人気と思われる「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」開催中の国立西洋美術館の前は未だ行列は無し。とにかく阿修羅を目指す。
会場入り口の券売所で「60分待」の表示。午後の予定を考え諦める。とはいえ,午後の用事にはには時間があるし「ルーブル」もすいているわけはないしなぁ等と考えながら駅へ戻りかけると,国立科学博物館で「大恐竜展 知られざる南半球の支配者」を開催中。待ち時間は「0分」。せっかく上野まで来たのだし,これでも見ようと入ってみる。
ところが,どーにも阿修羅が気になってしかたがない。午後の予定は遅れても他人に迷惑をかけるわけでもなし,というわけで大恐竜展はそこそこで退出し東京国立博物館へ取って返す。
傘をさすかささないか微妙な小雨の中の「70分」に増えた待ち時間を耐え,阿修羅へまっしぐら。
通勤ラッシュ以上の密度で犇めき合う群集に巻き込まれるように阿修羅の周りを時計回りに先ず一周。最前列に出て更に一周。
立ち止まらないようにという係員の声を無視するつもりも無いけれど,前が動かないことには私も動けない。人が輪になっているのでどこが先頭ともつかず「全員が先頭です」等と係員がうまいことを言って自覚を促すが,先頭の前に先頭が留まっていてはいたしかたなし。
先頭というよりは小さな戦闘があちこちで巻き起こっていましたよ,さすがに「戦闘神」阿修羅。
私を含めてその場だけではなく,外に長蛇の列を成している,そして更に集まりつつある人々の滑稽さと,その中心に平然と超越して屹立する「物」の対比を面白く感じました。
そして,あの混沌のさなか,他人に押されながらも阿修羅像に手を合わせる人がいることに救われた気もします。
これで疲れ果てて,他の展示物はそこそこに駅へ向かうと「恐竜展」は相変わらず待ち時間「0分」。一方「ルーブル展」はいつの間にか待ち時間「80分」の行列ができておりました。