主婦は大変です

 妻は眠りが浅く朝に弱い。けれど毎日早く起きて朝食の用意をしてくれる。日曜日くらいは寝ていていいからと,起こさずに私が自分で勝手に食べる。

 一昨日の土曜日は妻の実家にお邪魔した。妻にしてみれば生まれ育った実家なのでのんびりできるのではないかと思うのだが,そんなものでもないらしい。それなりに緊張するらしいのだ。
 そのためかどうか明けて日曜日の朝,妻はいつも以上に眠そうだった。仕事があった私は独り起き出してパンを焼き紅茶を入れて食事を済ませ出かける間際に様子を窺うと,気配を察した妻は朦朧としながら起き上がり「行ってらっしゃい」と言った。いや,言おうとしたのだろう。しかし,実際に妻の口から出た言葉は「オヤスミナサイ」だった。私も「オヤスミナサイ」と家を出た。

 その日,今度は私の母が年寄り四人で温泉旅行に行くために,田舎から東京の伯父の家に出て来るというので,妻は歓迎の晩餐の用意のお手伝いにでかけ,私は仕事帰りに立ち寄って飲み食いだけして帰ってきた。今朝,妻は早く起きて朝食の用意をしてくれた。ありがとう。

※しかし母よ。あなたは妻とばかりズッと話をしていましたが,実の息子である私とは積もる話とかないのでしょうか?