世界最高峰の運動能力は理屈を超えた感動を与えてくれますが,それだけでは飽き足らない人も居るようで。
中国との決勝戦で,試合以上に周辺の盛り上がりが取り上げられていましたサッカーのアジアカップ。歴史的,政治的な問題を含んだ背景に踏み込むことも難しいのですが,テレビの映像(勿論これもなんらかのフィルターを通過しているのも承知で)から受けた印象だけにたよると,自分が受けた教育を信じ純粋に日本を敵視している人や,そんな状況を利用して政治的な駆け引きに利用しようという人や,なんだか尻馬に乗って暴れたい人や,いろいろな人がいるようです。中国の教育の効果で,実際に戦争体験を持つ世代より,若い人の間に反日感情が強くなっているという話もありましたが,やはり一日本国民としての私は「もういいじゃないか」とは言えませんし。
その中国北京で四年後にオリンピックが開かれるそうですが,その四年前,つまり今年まもなくアテネでスポーツの祭典,オリンピックが開催されます。別段斜に構えるつもりもないのですがなんだか年々オリンピックへの興味が薄れています。
とは言ってもやはり日本人選手の言動は気になるところ。
前回のオリンピックでうんざりしたのは,柔道の田村(当時)亮子選手と井上康生選手の決勝。技が決まった刹那,未だ闘う意思を捨てない相手選手を振り解くように勝利をアピールする姿からは,同じ「道」を志した相手に対する敬意のかけらも感じられず,これが道を極めた日本の代表の姿かと思うと,情けない思いを禁じ得ず,日本でテレビを見ている子供達があの態度に憧れたりしないよう祈ったものです。
更には表彰台で亡きご母堂様の遺影を掲げる井上康生選手の画に至っては,マスコミ挙って美談へと祭り上げるなか,その昔,無言で突き上げた黒い拳の覚悟を朧げながらも感じた(さらには孫基禎、南昇竜と言った名前も知識としては知っている)身としては,無理やりにでも今日の日本の平和を汲み取るぐらいしか恥ずかしさを誤魔化す術がありませんでした。
ブラックパワー・サリュート
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