CASSHERN

 直近に観た映画は「CASSHERN」。賛否両論のようです。

 公式BBSにおいてさえかなりのたたかれよう。ましておや2ちゃんねるでは……ですが,あれだけスレッドがたつというのも注目度の高さと,語り甲斐があることの証左かとも。

 とはいえ,通常他の映画が2ちゃんねるでどれほど話題になるのかは知らないのですが,少なくとも私自身,それが気になって2ちゃんねるを覗きに言ったこと自体が例外的で,公式BBSを気にしたのも「アレックス」以来のこと。

 私はアニメの「新造人間キャシャーン」をリアルタイムで見た世代ですが,今回の映画は面白いと思いました。確かに突っ込みどころは満載です。砲弾を手でとめたり,ルナを抱えて超高速で走り回ったり(大丈夫かルナ?),(意図的であろう)妙に揃ったロボットの動き,兵器・乗物のデザイン……などの荒唐無稽さとテーマの重苦しさの齟齬。そして(私は気にならなかったものの)上映時間の長さ。

 説明不足の点も多々。何の予備知識も持たない人が見ればキャシャーンのヘッドパーツ(ヘルメット?)が古めかしい兜と並べられていて,しかも,いきなり破壊されてしまう映像などは何のことやらなのではないかな。それと,新造人間が辿り着いた城とか,崩れ落ちる雷とともに天から降ってくるCASSHERBとか……

 しかし,それでも満月を背に鉄也が舞うシーンなどは,正にキャシャーン。思わず「カッコイー」と声を出してしまう程。だからこそ,あのテイストで押し切って欲しかったという意見もよく判る。とってつけたような「戦争と平和」「生と死」みたいなメッセージは要らないとも思う。
 でも,殺し合いのシーンを観て唯虚しさを覚え,力に対する暗い羨望を感じなかったのは珍しい。監督の狙いにはまったかな?

 もう一度観に行こうと思っていましたが上映終了。DVD化を待つ。